TOYOTA GAZOO Racing(以下「TGR」)は6月28日、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦サファリ・ラリー・ケニアの結果を発表した。
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)が優勝。今シーズン4勝目を飾り、ドライバー選手権首位の座を守った。
また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの勝田貴元/ダニエル・バリット組(18号車)が、自己最高位の総合2位でフィニッシュ。WRCで初めて表彰台を獲得した。
WRCを代表するクラシックイベントのひとつであるサファリ・ラリーは、2002年大会を最後にWRCとしては開催されていなかった。しかし、2021年は19年ぶりにWRCのカレンダーに復帰。ケニアの首都ナイロビの北西約100kmに位置する、ナイバシャ湖畔のサービスパークを中心に4日間で18本、合計320.19kmを走行するグラベル(未舗装路)ラリーとして開催された。
このラリーに出場経験があるトップ選手はおらず、そのためレッキ(ステージの事前下見走行)では、完全にゼロの状態からペースノートを作ることになり、競技本番ではその精度の高さが非常に重要になった。
また、23日(水)に行われたシェイクダウンでは、全長5.4kmのステージでオジエがトップタイムを、エバンスが0.1秒差の2番手タイムを記録した。
セバスチャン・オジエ、勝田 貴元
24日(木)に開催されたデイ1は、ナイロビ中心部の「ケニヤッタ国際会議場」でセレモニアルスタートが行われ、その後ナイロビ郊外のカサラニで2台同時スタートの「スーパーSS」がSS1として行われた。ステージ開始時の気温は22度で、路面はドライコンディションとなり、各車もうもうと土煙を上げながら全長4.84kmのグラベルステージを走行。オジエを筆頭に、ロバンペラ、エバンスとヤリスWRCがトップ3を独占し、ラリー初日を終えた。また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、今回もヤリスWRCで出場の勝田貴元は、総合6位につけた。
競技2日目、25日(金)のデイ2はサービスパークの南側で3本のステージを、サービスを挟んで各2回走行。SS2〜SS7の6本のステージの合計距離は129.78km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は385.64kmとなった。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、オジエが総合4位。デイ1総合2位のロバンペラと、同じく総合3位のエバンスは、共にデイリタイアとなった。また、勝田貴元は、首位と18.8秒差の総合2位でデイ2を走破した。
セバスチャン・オジエ
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
競技3日目となる26日(土)のデイ3は、サービスパークの北側にあるエルメンテイタ湖の周辺で、3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。SS8〜SS13の6本のステージの合計距離は132.08kmと4日間で最長で、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は387.88kmとなった。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、オジエが、総合3位。前日のデイリタイアを経て再出走したロバンペラは総合7位で、エバンスは総合12位でラリー最長の1日を走破した。また、勝田貴元は、総合2位の座を守った。
競技最終日となる27日(日)デイ4は、ナイバシャ湖の周辺で、SS14〜SS18の5本のステージを日中のサービスなく走行した。5本のステージの合計距離は53.49kmと4日間で最短。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は238.57kmとなった。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、オジエが優勝。今シーズン4勝目を飾り、ドライバー選手権首位の座を守った。また、ロバンペラは総合6位、エバンスは総合10位と、前日のデイ3よりも順位を上げ、ポイントを獲得した。なお、勝田貴元は、自己最高位の総合2位でフィニッシュ。WRCで初めて表彰台を獲得した。
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
また、チームは、オジエとロバンペラ、エバンスが獲得したポイントにより、マニュファクチャラー選手権首位を守り、2位のライバルに対するリードを59ポイントに拡大した。
WRC次戦は、7月15日から18日にかけて、エストニア「ラリー・エストニア」が開催される。2020年、初めてWRCとして開催されたこのイベントは、ハイスピードでスムーズなステージが多く、ジャンプやアップ&ダウンもあるなど全体的にはラリー・フィンランドと似た特徴を持つグラベル(未舗装路)ラリーとなる。
<<デイ1の結果>>
1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(トヨタ ヤリス WRC) 3m21.5s
2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(トヨタ ヤリス WRC) +0.3s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +0.7s
6 勝田 貴元/ダニエル・バリット(トヨタ ヤリス WRC) +5.6s
<<デイ2の結果>>
2 勝田 貴元/ダニエル・バリット(トヨタ ヤリス WRC) +18.8s
4 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(トヨタ ヤリス WRC) 1m49.4s
7 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(トヨタ ヤリス WRC) +9m30.2s
TBC エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +49m12.8s
<<デイ3の結果>>
2 勝田 貴元/ダニエル・バリット(トヨタ ヤリス WRC) +57.4s
3 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(トヨタ ヤリス WRC) 1m15.5s
7 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(トヨタ ヤリス WRC) +11m04.3s
12 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +50m08.2s
<<デイ4の結果>>
1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(トヨタ ヤリス WRC) 3h18m11.3s
2 勝田 貴元/ダニエル・バリット(トヨタ ヤリス WRC) +21.8s
6 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(トヨタ ヤリス WRC) +10m53.4s
10 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +49m22.7s