小田急電鉄は、国内鉄道会社初となるグリーンボンド(※)・個人向け無担保社債を発行する。発行総額は、100億円。利率などの条件決定日は、1月10日(木)を予定。また、募集期間は、1月11日(金)から30日(水)を予定している。
小田急電鉄では、これまで個人投資家を対象とした社債を継続的に発行してきたが、今回、グリーンボンドとしての個人向け無担保社債を発行。
グリーンボンドとは、地球温暖化をはじめとした環境問題の解決に資する資金を調達するために発行される債券を指す。
小田急電鉄では、調達した資金を車両の更新や輸送インフラの増強等の鉄道事業に充当し、環境に配慮した鉄道サービスを充実。グリーンボンドの発行を通じて、クリーンな輸送手段としての鉄道の有用性を、投資家に発信していくとしている。
[グリーンボンド(個人向け無担保社債)発行の概要]
– 社債の名称:小田急電鉄株式会社第82回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
– 社債の愛称:小田急ゆけむりグリーンボンド
– 発行総額:金100億円
– 条件決定日:2019年1月10日(木)(予定)
– 募集期間:2019年1月11日(金)~30日(水)(予定)
– 外部認証:グリーンボンドとしての適格性については、第三者評価機関であるサステイナリティクスよりセカンドパーティ・オピニオンを取得。また、日本格付研究所(JCR)より「JCRグリーンボンド評価」の最上位評価である「Green1」の予備評価を取得している。
なお、2社の評価内容については、下記HPを参照のこと。
<サステイナリティクス>
<JCR>
(日本語)https://www.jcr.co.jp/pdf/greenfinance/OdakyuElectricRailway_jp.pdf
(英語)https://www.jcr.co.jp/download/3b8c212cc19f313cd133d423d104d4ec53efd302443c59dc03/18d0907_f.pdf
– その他:社債の詳細は、利率決定後に告知する。
[資金使途概要]
グリーンボンドで調達した資金は、以下のプロジェクトに充当する予定。なお、使途についてはこれまで小田急電鉄が実施してきた設備投資によって減少した手元資金への充当も含まれる。
1.車両
(1)1000形通勤車両、特急ロマンスカー・EXE(30000形)のリニューアル資金および特急ロマンスカー・GSE(70000形)の新造資金等、従来の車両に比べ、電力消費量に削減効果のある車両の新造およびリニューアル資金。
・車両の軽量化、VVVFインバータ制御装置の導入、回生ブレーキの有効活用、LED車内照明、省エネ機能付き側面行先表示器、熱線吸収・UVカットガラスへの交換に係る資金などに充当する。
2. 輸送インフラ
(1)東北沢-和泉多摩川間における複々線化事業(上りと下りにそれぞれ2本の線路を建設することで、4本の線路に改築)に係る資金(※)
・2018年3月開始の複々線を使用したダイヤによる運行で、輸送力が向上。
(2)ホーム延伸、ホームドア設置、駅舎および駅周辺の緑化など、駅改修に係る資金
・2019年3月予定のダイヤ改正では、ホーム延伸工事の完了によって輸送力が強化。代々木八幡駅のホームを10両編成に対応できるよう延伸。
これにより、10両編成の電車が新宿から代々木上原までのすべての駅に停車可能となる。また、開成駅でも10両編成の急行が停車できるようホームを延伸する。
・安全性強化のため、ホームドア設置を進める。2020年度までに代々木八幡から梅ヶ丘までの6駅への設置を計画。2022年度までを目処に、1日の利用者数が10万人以上の8駅に設置する計画。
・駅周辺に、環境に配慮した特色ある地域の景観を作り出すため、駅施設内外の緑化を進める。
(※)複々線化事業は、東京都の都市計画事業である「連続立体交差事業(線路を高架化もしくは地下化して踏切の数を減らす)」と一体的に進めている。