小田急電鉄は、鉄道工事を取り巻く環境変化や新型コロナウイルスの影響を踏まえ、鉄道メンテナンス体制の持続性を高めるため、2021年春、最終列車と一部の始発列車の運転時刻の変更を中心としたダイヤ改正を実施する。
小田急電鉄では、近年、夜間を中心に行う鉄道メンテナンスの担い手不足への対応や安全・防災対策のための工事時間の確保が課題に。また現在、在宅勤務の浸透や外出機会の減少など、特に夜間を中心に利用が大きく減少しており、乗客の働き方や行動様式が従来の姿に戻ることはないと予測していると云う。
<建設業における年齢別技能労働者数>
<利用動向(全駅改札入出場、2019年9月・2020年9月の平日平均)>
これらを踏まえ、最終列車の時刻を20分程度繰り上げるとともに、一部の始発列車の時刻を10分程度(10分以上の駅もあり)繰り下げて、最終から始発列車までの間合いを4時間程度に延長し、また、最終・始発列車の運転時刻の変更にあわせ、夜間・早朝の一部列車の運転時刻を変更。
これにより、最終列車から始発列車の間に実施する鉄道メンテナンスの業務効率の向上や安全・防災対策工事等の工期短縮などに取り組み、担当部門、協力会社における働き方を改善。併せて、車両や駅、運転部門の深夜の労働負荷も軽減する等、これらの働き方の見直しにより、鉄道運行の持続性を高め、より安全・安心・快適な輸送サービスの提供に努める。
なおダイヤ改正の詳細については、12月中に告知されると云う。
[最終および一部始発列車の時刻変更]
(1)実施時期:2021年春(予定/平日・土休日とも)
(2)主な変更内容:
<最終> 24時台を中心に最終列車を20分程度繰り上げる。
<始発> 4時台を中心に一部の始発列車を10分程度繰り下げる。
※10分以上繰り下げとなる駅もある。
※最終、始発列車の時刻変更に伴い、夜間・早朝の一部列車の運転時刻も変更。
※年末等の繁忙期における3密対策のために、臨時列車の増発などを検討する。
※ダイヤ改正日や詳細な運転ダイヤは、12月中に告知する。
[メンテナンス体制等を向上]
ダイヤ改正による最終・始発列車の時刻変更により、最終列車から始発列車までの間合いが約30分増加し、合計4時間程度となることに伴い、高度な技術を要する鉄道メンテナンスの業務効率や係員の働く環境を改善。持続性を高め、一層の安全性、信頼性を追求しする。また安全・防災対策工事の工期短縮を図る。
(1)メンテナンス業務の効率向上
鉄道メンテナンスの多くの作業は、最終から始発列車までの限られた短い時間で行われている。この間合いが広げることで、夜間の実作業時間を増やし、メンテナンス業務の効率を高める。
(2)安全・防災対策工事の工期短縮
工事時間の延長により、長期間にわたる設備工事の施工効率を高め、駅構内設備(エレベーター、エスカレーター、ホームドア)の新設・改良や、橋梁の架け替えなどの安全・防災対策の工期短縮を図る。
(3)その他部門の深夜労働負荷を軽減
最終列車後の車両点検や清掃に関わる係員、駅係員、乗務員の深夜の労働負荷を軽減する働き方の改善とともに、より安心で快適なサービスの提供に努める。
[平日現行の最終・始発発車時刻と改正による変更目安]
<最終列車(平日)>
■下り方面(現行の新宿駅における行き先別最終列車発車時刻と、ダイヤ改正による繰り上げ時間の目安)
■上り方面(現行の小田原・片瀬江ノ島・唐木田駅における行き先別最終列車発車時刻と、ダイヤ改正による繰り上げ時間の目安)
※ 2020年11月4日時点。
<始発列車(平日)>
■上り方面(現行の各駅における始発列車の発車時刻と、ダイヤ改正による繰り下げ時間の目安)
■下り方面(現行の各駅における始発列車の発車時刻と、ダイヤ改正による繰り下げ時間の目安)
※ 2020年11月4日時点。
[問い合わせ先]
小田急お客さまセンター
電話:044-299-8200(9時00分~19時00分)