小田急電鉄と「駅すぱあと」等の製品・サービスを展開するヴァル研究所は、4月4日(木)、鉄道やバス、タクシーなどの交通データやフリーパス・割引優待等の電子チケットを提供するためのデータ基盤「MaaS Japan(仮称)」を共同開発することで合意した。
また、このデータ基盤を利用したMaaS(Mobility as a Service)アプリケーションを用い、小田急電鉄は、2019年末までに箱根エリアと新百合ヶ丘・町田エリアで、利用者のニーズなどを確認する実証実験を実施する。
ヴァル研究所は、鉄道やバス、タクシーのほか、オンデマンド交通にも対応したデータ基盤を開発。小田急電鉄は、小田急グループの鉄道やバスなどの交通データをこのデータ基盤に接続させるとともに、ホテルや商業施設とのシステム連携なども進める。
また、開発するデータ基盤は、他の交通事業者や自治体等が開発するMaaSアプリケーションでも活用できるよう、日本初のオープンなものとし、小田急電鉄が実施する実証実験の対象エリア以外においても、交通事業者・自治体等が MaaSの実証実験を容易に実施できる環境を提供。
同データ基盤を通して、国土交通省の「都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会中間とりまとめ」も踏まえながら、日本のMaaSアプリケーションの普及・拡大に貢献していくとしている。
[小田急グループについて]
小田急グループは101社(2019年4月1日時点)で構成され、東京・神奈川を主な事業エリアとして、鉄道やバスなどの運輸業のほか、不動産業、流通業などさまざまな事業を展開。
小田急電鉄では、昨年4月に発表した中期経営計画で「次世代モビリティを活用したネットワークの構築」を掲げており、自動運転バスの実用化に向けた取り組みのほか、小田急グループが保有する多様な交通サービスや生活サービスを、パートナーと連携しながらシームレスに連動させ、1つのサービスとして利用者に提供するMaaSの取り組みを推進している。
昨年12月には、ヴァル研究所、タイムズ24、ドコモ・バイクシェア、WHILLと、システム開発やデータ連携、サービスの検討を相互に連携・協力に合意。また、今年1月には、東日本旅客鉄道とのMaaS連携について検討を開始している。
[ヴァル研究所について]
1988年にMS-DOS版の経路検索システム「駅すぱあと」を発売。以来、全国の公共交通機関データをベースに様々な法人向け・個人向け製品・サービスを各種展開。取引実績は12万社以上に上る。
近年では、シェアサイクルと公共交通の複合経路検索サービス「mixway(ミクスウェイ)」の開発、小田急電鉄との自動運転バスの実証実験にあわせたMaaSトライアルや、オンデマンド・リアルタイム配車サービスを提供する未来シェアなどと業務提携している。