NIPPON EXPRESSホールディングスは8月22日、NXグローバルイノベーション投資事業有限責任組合の案件として、北米地域で商用車の自動運転技術開発に取り組み、自動運転車両を用いた物流サービスを実展開しているGatik AI Inc(Gatik社/ガティック社)に米国時間の8月20日に出資したことを明らかにした。
上記Gatik社は、2017年に米国で創業した自動運転トラックを使った物流サービスを提供するスタートアップ企業。自動運転のソフトウェア開発だけでなく、自動運転車両の全体設計や、試験評価に関するノウハウを有し、2021年には公道での無人自動運転車による商業輸送を成功させた。
特にB to Bの短中距離物流に特化しており、荷主の倉庫間、および倉庫と店舗間などの「ミドルマイル領域」に於いて自動運転車両による物流サービスの提供を行っている。
ウォルマート、クローガ―といった米大手小売業や食品飲料メーカーなど日用雑貨、食品等を取り扱う荷主を顧客として、北米地域で事業を拡大させている。
そんな米国に於いても自動運転技術は、ドライバーの高齢化・人手不足・人件費高騰、ヒューマンエラーに起因する交通事故の発生、高齢化に伴う移動弱者の増加といった社会課題を大きく転換させる潜在能力を持つソリューションとして大きな注目を集めている。
日本に於いてもそれは同様で、2025年度に全都道府県の一般道で自動運転車両の通年運行を目指す方針が政府から発表されるなど、現時点では、自動運転トラックの本格運用に向けた取り組みが加速している。また、脱炭素の社会的な要請が高まる中、運転効率化により有人運転と比べて燃費の向上も期待されている。
対してNXグループは、様々な産業向け物流をサポートしており、特に工場への原材料の納入や製品出荷などの「ミドルマイル領域」の物流サービスを多くの顧客へ向けて提供している。
こうしたミドルマイル領域のビジネスモデルに親和性があるGatik社の事業に着目したNXグループは、Gatik社との資本関係を通じて、最先端の自動運転トラック事業の知見を深め、協業を介した技術共有を通じて、将来的に日本での自動運転トラック事業への本格参入の糸口を掴みたい考えだ。また、米国をはじめとしたグローバルでの連携も視野に入れている。
NXグループでは、「今後も国内外のスタートアップ企業との事業共創を通じて社会課題を解決し、すべての人が豊かで充実した生活を送れる、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります」と述べている。出資先概要
会社名: Gatik AI Inc
本社所在地: 161 E Evelyn Ave, Mountain View, CA 94041 United States of America
設立年: 2017年
代表者: Gautam Narang
事業内容: 自動運転システム・周辺機能・ツール開発および自動運転物流サービスの提供
ホームページ: https://gatik.ai/