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2024年8月22日【MaaS】

NXグループ、米国の自動運転トラック輸送社へ出資

坂上 賢治

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NIPPON EXPRESSホールディングスは8月22日、NXグローバルイノベーション投資事業有限責任組合の案件として、北米地域で商用車の自動運転技術開発に取り組み、自動運転車両を用いた物流サービスを実展開しているGatik AI Inc(Gatik社/ガティック社)に米国時間の8月20日に出資したことを明らかにした。

 

上記Gatik社は、2017年に米国で創業した自動運転トラックを使った物流サービスを提供するスタートアップ企業。自動運転のソフトウェア開発だけでなく、自動運転車両の全体設計や、試験評価に関するノウハウを有し、2021年には公道での無人自動運転車による商業輸送を成功させた。

 

特にB to Bの短中距離物流に特化しており、荷主の倉庫間、および倉庫と店舗間などの「ミドルマイル領域」に於いて自動運転車両による物流サービスの提供を行っている。

 

ウォルマート、クローガ―といった米大手小売業や食品飲料メーカーなど日用雑貨、食品等を取り扱う荷主を顧客として、北米地域で事業を拡大させている。

 

 

そんな米国に於いても自動運転技術は、ドライバーの高齢化・人手不足・人件費高騰、ヒューマンエラーに起因する交通事故の発生、高齢化に伴う移動弱者の増加といった社会課題を大きく転換させる潜在能力を持つソリューションとして大きな注目を集めている。

 

日本に於いてもそれは同様で、2025年度に全都道府県の一般道で自動運転車両の通年運行を目指す方針が政府から発表されるなど、現時点では、自動運転トラックの本格運用に向けた取り組みが加速している。また、脱炭素の社会的な要請が高まる中、運転効率化により有人運転と比べて燃費の向上も期待されている。

 

対してNXグループは、様々な産業向け物流をサポートしており、特に工場への原材料の納入や製品出荷などの「ミドルマイル領域」の物流サービスを多くの顧客へ向けて提供している。

 

こうしたミドルマイル領域のビジネスモデルに親和性があるGatik社の事業に着目したNXグループは、Gatik社との資本関係を通じて、最先端の自動運転トラック事業の知見を深め、協業を介した技術共有を通じて、将来的に日本での自動運転トラック事業への本格参入の糸口を掴みたい考えだ。また、米国をはじめとしたグローバルでの連携も視野に入れている。

 

NXグループでは、「今後も国内外のスタートアップ企業との事業共創を通じて社会課題を解決し、すべての人が豊かで充実した生活を送れる、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります」と述べている。出資先概要
会社名: Gatik AI Inc
本社所在地: 161 E Evelyn Ave, Mountain View, CA 94041 United States of America
設立年: 2017年
代表者: Gautam Narang
事業内容: 自動運転システム・周辺機能・ツール開発および自動運転物流サービスの提供
ホームページ: https://gatik.ai/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。