NIPPON EXPRESSホールディングスは6月14日、NXグローバルイノベーション投資事業有限責任組合の案件として、CO2排出量の見える化クラウドサービスを提供するアスエネ社に5月29日に出資・資本業務提携契約を締結した。
アスエネ社は「次世代によりよい世界を」をミッションに、企業のサステナビリティ経営を支援。脱炭素社会の創造に取り組むスタートアップ企業。Climate Tech領域のサービスとして、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「アスエネ」や、ESG評価クラウドサービス「アスエネESG」、カーボンクレジット・排出権取引所 「Carbon EX」を運営・提供している。「アスエネ」は現在、6,000社を超える企業・自治体の導入実績があり、日本・アジアにおいて事業を拡大している。
今回の出資の背景には、企業が気候変動に係る情報開示に際して、サプライチェーン全体のCO2排出量の計測・削減への対応を迫られていることがある。
一方でNXグループは創立100周年となる2037年に「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」となることを「長期ビジョン」として掲げている。また同ビジョン達成に向けて策定した経営計画「NXグループ経営計画2028 Dynamic Growth 2.0 “Accelerating Sustainable Growth ~持続的な成長の加速~”」では、「サステナビリティと経営の統合」をコア戦略の1つに定め、持続的な成長とステークホルダーとの共創による企業価値向上を目指してきた。
そうしたなかで、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービスを提供するアスエネ社に出資することは、NXグループのCO2排出量削減に向けた取り組みをグローバルで加速させると共に、顧客企業のサステナビリティ経営をサポートするための有益な手立てになると考えているようだ。
その取り組み内容としては、まずはNXグループのCO2排出量削減がある。NXグループは、「気候変動への取り組み」を重要課題(マテリアリティ)の一つと位置づけ、NXグループ全体のCO2自社排出量を2030年までに2013年比で50%削減の目標を掲げている。そうしたなかで「アスエネ」を活用することで、自社のCO2排出量を可視化し、より効果的にCO2排出量削減対策を立案・実行することが可能になる。
もうひとつは、顧客企業のサプライチェーン全体のCO2排出量削減サポートがある。同事業にあたっては、「アスエネ」プラットフォームと、NXグループが提供するCO2排出量算出ツール「エコトランス・ナビ」の連携を検討しているという。
これにより「アスエネ」を利用する企業は、製造工程だけでなく物流に於けるCO2排出量についてもより詳細に算出することが可能になるとしている。
またCO2排出量削減のマーケットプレイスである「アスエネストア」を通じた、NXグループの物流脱炭素ソリューションNX-GREEN SAF Program(持続可能な航空燃料SAFから得られる環境価値を購入して、サプライチェーン下でのCO2排出量を削減する)、Sea&Rail(海上輸送と鉄道輸送を組み合わせたモーダルコンビネーション型輸送サービス)、NX鉄道混載便(小ロットからの鉄道利用が可能な低炭素型鉄道輸送サービス)、環境配慮型温度管理容器(高い温度管理性能を持つ再利用可能なパッシブ型の温度管理容器と国際航空輸送を組み合わせたサービス)等の提供を検討する。
出資先概要
会社名 :アスエネ株式会社
本社所在地 :東京都港区虎ノ門1-10-5 KDX虎ノ門一丁目ビル WeWork 4階
設立年 :2019年
代表者 :西和田 浩平
従業員数 :219名[2024年2月時点]
事業内容 :
CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「ASUENE」
ESG評価クラウドサービス「ASUENE ESG」
カーボンクレジット・排出権取引所 「Carbon EX」の運営