NTT DATA, Inc.(エヌティティ データ インク)のシンガポール拠点NTT DATA Singaporeは、シンガポールの行政機関Land Transportation Authority(LTA)の完全子会社で当地のEVインフラ管理を担うEVe(EV Electric Charging)社と戦略的なパートナーシップを3年間締結したことを踏まえ、今年12月からEV充電データ管理&分析プラットフォーム「NXT E-Mobility Data Platform (NXT-EDP)」の提供を開始する。
ちなみにシンガポール政府は、先に打ち出したグリーン政策”Singapore Green Plan 2030“に基づき、2030年までに国内に於いて延べ6万台の充電設備を設置すること。また次の10年。つまり2040年までに国内登録車両の100%を環境負荷の少ない車とする独自のグリーン政策を掲げている。
そして、その計画上に沿って2022年に、国内5社をHDBの充電ステーションを運用するCPOとして選定。続いてEVe社は、これらLTAに選定されたCPOと連携。来たる2025年までには、シンガポールのHDBの約2,000の駐車場に約12,000台のEV充電設備を展開するという。
このように当地で充電インフラの整備が進むなか、リアルタイムの電力使用量、充電施設の位置情報及び利用率などの可視化、およびこれらのデータを元にした電気自動車の充電ネットワークの最適化などの幾つかの数値が重要課題になってきている。それゆえに、設備の位置情報や電力の需要と供給量、消費者行動などのKPIをリアルタイムに把握しなければならないのだ。
そこでNTT DATA Singaporeはクラウド側を支えるサービスを提供するべく、シンガポール当地のEV充電インフラ整備を推進するCPO(Charging Point Operators)や、EV車用駐車エリアを保有する小売り、住宅開発局(HDB)等のEVビジネスを関連する事業者向けに、NXT-EDPによるデータ利活用・分析サービスを介して、充電施設の運用効率の向上・ドライバー体験の向上に貢献していく構えだ。
この結果、充電施設の消費電力や利用率などのデータは常にリアルタイムで情報収集・分析されて、政府によるグリーン政策推進のKPI管理を可視化に貢献するだけでなく、将来的には小売業者などの民間事業者にも価値ある情報を提供していく。
そんなNXT-EDPは主に4つの特長を有している。
1.データ収集
充電施設の利用内容、稼働状況、消費電力などのEV充電利用データをリアルタイムで収集することで、一元的で効果的なネットワーク監視と管理を可能とする。
2.直観的で優れたUI/UX
直観的でシームレスなデザインによるシンプルな操作性で満足度の高いUI/UXを提供する。
3.効果の可視化
消費電力量およびEV充電によるCo2排出削減に関するデータを提供することで、SDGsに則した状態で環境へ影響を定量的に可視化する。
4.拡張性
急速な充電インプラの拡充に対応できるように設計されたプラットフォームにより高アジリティ且つ安定運用を可能とする。
なおNXT-EDPに携わるNTT DATA, Inc. 執行役員 Chief Digital Assets Officer 栢哲之氏は、「Eve社と戦略的パートナーシップを締結し、業界をリードするNXT-EDPを展開することで、をシンガポール全土にEV充電ネットワークを展開できることを嬉しく思います。
今後NXT-EDPはシンガポールをはじめ世界的に急速に発展するEV業界の変革パートナーとして、高度なデータ集約と分析機能により、高度な需要予測や付加価値の高いユーザー体験を提供することで、SGDsに貢献します」と話している。
またNTTデータシンガポールのマネージングディレクター、クリシュナパン・ラマナサン氏(Krishnappan Ramanathan)は、「NTTDATAシンガポールは、このパートナーシップ締結を非常に誇りに思っています。
データ分析におけるNTTDATAグループのナレッジにより、一時的な価値を提供するだけでなく、拡張性と将来性のある機能追加も行っていきます。
これは、ダイナミックで持続可能なEVエコシステムを構築するというEVe社のビジョンと一致しており、シンガポール全土へのEV導入を実現できることを楽しみにしています」と語る。
更にEV-Electric Charging Pte. Ltd. のデレク・タンCEO(Derek Tan)は、「NTT DATAグループがプロジェクトに参画してくれることを嬉しく思います。EVe社はすべてのEV利用者、特にHDB居住者の移動を向上することを目指しています。
このプロジェクトによりEVe社は2,000のHDB駐車場のデータをリアルタイムに利用できるようになり、ユーザーはいつでもどこでもEV充電ができるようになるのです」と述べた。
最後にNTT DATA, Inc.は、「NXT-EDPは今後ビジネスインテリジェンス・データ分析・データウエアハウスの機能を高度化していき、収集したデータを活用し、複雑で高度なEV需要予測機能を拡充していきます。
我々は今後、NXT-EDPをCPOや、EV車用駐車エリアを保有する小売り等、EVビジネスに関連する事業者にも提案し、データ利活用・分析サービスをもって充電施設の運用効率の向上・ドライバー体験向上の実現を目指します。
そしてシンガポールのEV化推進に貢献し、更に今後は得られたノウハウをシンガポールに限らずグローバルで展開していきます」と結んでいる。