実証実験が想定する給付券アプリを活用した利用の流れ
タクシー利用給付券アプリを活用し、職員や事業者・市民の負担軽減へ
NTTデータ関西は2月15日、奈良市と給付券の電子化に向けて「給付券アプリ」を活用した実証実験を同日より開始した。
この実証実験では、従来交付されていた紙の妊婦向けタクシー利用割引券( 給付券 )の代わりに電子給付券を発行。タクシー利用時に於ける自治体・事業者・市民間での負担軽減と利便性の向上効果を検証する。
ちなみに、これまで紙の給付券では、発行準備や利用実績の把握に一定の時間を要し、「一部の交付が間に合わない」「利用促進に向けた施策が後手に回る」といった課題があった。
そこで過日より、新型コロナウイルス感染症に関わる緊急支援として交付されていた「妊婦向けタクシー利用割引券(給付券)を通して、電子給付券にした際の利便性や、導入にあたっての事業者側の課題精査、事務効率改善の効果検証を奈良市と実施する事にした。
なお利用される給付券アプリは、日頃持ち歩いているスマートフォンからQRコードを読み取るだけの簡単操作で電子給付券を利用出来るようにしている。
市民のスマートフォンアプリ利用時の画面イメージ
このようにタクシー利用券を電子給付券化させる事で、自治体職員の給付券新規発行業務や、事業者による給付券の管理や請求書発行に関する業務負担削減。更に市民の利便性向上などが期待出来るとしている。
また電子化によって利用情報や請求情報などを把握し、今後の新たな利用促進を模索していく事や、サービス向上にも活用したい意向だ。
今後は同実証実験の結果を踏まえ、自治体の紙の給付券の電子化のみならず、商店街や大型商業施設でのクーポンやサービス券の発行・請求管理なども可能になるようにプラットフォームとしての商品化を予定している。
具体的な実証実験の概要は、奈良市在住者で2023年1月4日以降に母子健康手帳を取得した妊婦を対象に2023年2月から3月の間に利用出来る妊婦向けタクシー利用割引券( 給付券 )を電子交付する。
そして、この電子給付券の利用を承諾したタクシー会社と協力し、電子給付券活用時の給付券事業の効果測定を行う。実施期間は、2023年2月15日~2023年3月31日。
この実実験の実施について奈良市では、「妊婦向けのタクシー利用割引券を市役所等にお越し頂く事なくお渡しできる事は、市民サービスの向上や事務負担の軽減に繫がると考えられます。
短い期間の実証実験ではございますが、今回の実証で効果を検証させて頂き、今後の本市の事業に活かして参りたいと考えております」と話している。
給付券アプリのその他の特長は以下の通り
給付券交付機能
電子申請と給付券アプリの併用により、来庁しなくてもスマートフォンに給付券が交付される。
給付券利用機能
紙の給付券を持ち歩かなくても、スマートフォンからQRコードを読み取るだけで給付券を利用出来る。また、アプリ内で残りの枚数や期限の管理が出来るため、使い忘れや紛失等を防ぐ事が可能。
請求機能
事業者による給付券の枚数確認等請求処理に係る時間や自治体職員の業務負担軽減が出来る。
お知らせ機能
特定の個人に対しての通知や、給付券発行対象者に対して全体への通知が可能となる。