NTTデータ経営研究所と国土交通省は、千代田区の協力の下、住民参加によりバリアフリー情報(段差や多機能トイレ等)をチェック・更新する実証実験を、12月18日に実施する。
実証実験では、千代田区の特定エリアの住民により過去に投稿されたバリアフリー情報を、住民がチェック・更新することで、今後、全国のバリアフリー情報の持続的収集や更新を可能とする仕組み・体制の確立を目指す。
実証実験には、日本電信電話(NTT)が開発した、車いすやベビーカーの移動者など向けの道案内(ナビゲーション)に必要なバリアフリー情報を継続的に収集する技術「MaPiece (まっぴーす)」が活用される。
国交省は、車いす利用者が持っているスマートフォンのGPS情報等のプローブ情報や住民投稿情報を活用して、車いす利用者が通れる経路を地図上に登録することで、移動支援を行う等、ICTを活用した歩行者移動支援サービスの普及展開を目指す「バリアフリー・ナビプロジェクト」を推進。
その委託を受けたNTTデータ経営研究所では、持続可能な歩行者移動支援サービス構築に向けた検討及び実証事業を進めている。
現在、住民投稿によるバリアフリー情報(車いす等で移動する際に障がいとなる段差や多機能トイレ等の情報)を収集するサービスが提供されているが、バリアフリーナビゲーション等の歩行者移動支援サービスとして活用するためには、投稿情報の信頼性や更新頻度の確保が課題となる。
実証実験では、特定地域内(千代田区御茶ノ水周辺)のバリアフリー情報を住民自身の手でチェック・更新するイベント開催を通じて、バリアフリー情報の信頼性を確保する方策や、持続的にバリアフリー情報が更新されるモデルの検証を行う。
[実証実験の概要]
実証では、イベント開催と日常的なバリアフリー情報の収集を実施する。
○バリアフリー情報のチェック・更新イベントの開催
ボランティア・学生等が、特定地域内(千代田区御茶ノ水周辺)を協力して探索し、既存のバリアフリー情報(道にある段差や施設にある多機能トイレ等)をチェック。間違った情報や、現況が変わってしまった古い情報を更新する。
その参加者は、千代田区付近の大学、千代田区内外のボランティア団体などから広く募集する。
○実証参加方法
実証実験への参加は、以下のWebサイトのフォームから申し込みが可能。
■実証イベント(12月18日(火)開催)申込フォーム : https://goo.gl/forms/juz3SkWpiXjilTKv1
※使用するアプリケーションのダウンロード方法等については、参加者へ後日告知。
[使用アプリについて]
実証実験には、NTT開発の住民参加により段差や多機能トイレ等のバリアフリー情報を収集するアプリの「みんなでMaPiece」を活用。アプリでは、周辺のバリアフリー情報の確認や投稿機能により、地図をより便利に進化させることができる。
[今後について]
バリアフリーマップ等、ICT技術を利用した歩行者移動支援サービスは、工事等により日々変化するバリアフリー情報の継続的収集や、情報のマップへの反映など、普及のために解決すべき課題がある。
NTTデータ経営研究所は、これら課題は、プローブ情報やセンシング情報、住民投稿などのICT技術の活用により、解決可能だとしている。
同社は、国交省の実証実験等の取組みを通じて、車いす利用者だけに留まらず、高齢者、視覚・聴覚等の障害者、ベビーカー利用者など、あらゆる移動制約者の方を含む住民が、自由に行きたい場所に行ける社会の実現に向けた取組みを進めていくとしている。
[問い合わせ先]
NTTデータ経営研究所
社会基盤事業本部 ライフ・バリュー・クリエイションユニット
板垣、安生、高橋、北野
電話:03-5213-4110