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2024年8月2日【交通網】

NTT ComとTMN、路線バスをDX化

坂上 賢治

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昨年度の新潟交通バス車両での実証実験の様子

 

バスの利用実態可視化で持続的な地域公共交通に貢献

 

決済とマーケティングを融合させる情報プロセシング事業を推進するトランザクション・メディア・ネットワークス(TMN)は、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)の技術提供を受けて実施するバスDX化に向けた取組みが、新潟市の「令和6年度新潟市デジタルイノベーション創出推進補助金」の補助事業に採用された。

 

この「令和6年度新潟市デジタルイノベーション創出推進補助金」とは、新潟市デジタルイノベーション創出推進補助金は、企業の生産性の向上と持続的な成長を実現させることを目的として、デジタル技術を活用した実証実験を行う者に対して、新潟市よりその費用を一部補助する制度を指す。

 

対してTMNは、クラウドPOSやハウスプリペイド・ID統合等の新たな取組を展開。決済では2011年に、クラウド(シンクライアント)型電子決済における商用化を国内で初めて実現して以降、電子マネーを中核にクレジット、QR・バーコード、ハウスプリペイド等あらゆる決済手段をワンストップで提供するゲートウェイ事業を展開している。

 

上記技術をスーパーやコンビニエンスストアなど幅広い業態で展開。96万台(2024年3月末時点)の決済端末が同社ゲートウェイに接続されている。また近年の交通分野では、地域公共交通の持続と利便性向上に寄与することを目的に、顔認証技術や位置情報技術を用いたバスの利用実態を正確に把握する取組みを進めてきた。

 

交通領域の決済システムのクラウド化を目指す

 

また昨年度は、令和5年度の新潟市概念実証支援補助金を活用し、新潟市内を運行する新潟交通の一部路線バスで実証実験を実施した他、渋川市内を運行する関越交通の自動運転バスでも実証実験を重ね、バス利用実態可視化に向けたシステムの精度や課題を確認してきた。

 

このような昨年度の実証実験の結果から、顔認識精度の向上と位置情報取得に関して課題があることを認識、そこでNTT Comと協議の上、同社からAI顔認識ソフトウェア「SAFR®」や、データ伝送プラットフォーム「intdash®」などの技術提供を受けることで、バス利用実態可視化システム実用化に向けた更なる実証実験の実施を予定している。

 

交通領域の決済システムに於いては、従来型のリッチクライアント型が主流となっており、運賃計算や決済処理も全て決済端末内で処理していることから、決済端末が高額であることが交通事業者での課題となっている。

 

TMNでは、決済端末で行われるシステム処理をクラウド化させた「シンクライアント型モビリティマルチ決済システム」を将来的に開発することを目指しており、これにより決済端末1台で複数の決済手段や決済ブランドに対応できる他、交通事業者に於いてキャッシュレス決済の導入や維持への障壁が低くなり、利便性の向上に貢献できるとしている。

 

会社概要
代表者:代表取締役 大高 敦(グロース市場:5258)
本社所在地:東京都中央区日本橋2-11-2 太陽生命日本橋ビル18階
事業内容:電子決済サービスの開発及び提供
情報プロセシングサービスの開発及び提供
設立:2008年3月
資本金:61億5,386万1千円(2024年6月末時点)
URLhttps://www.tm-nets.com/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。