NTNは4月20日、風力や太陽光など再生可能エネルギー由来100%の電力で稼働する移動型独立電源「N3エヌキューブ」が、静岡県榛原郡吉田町に設置されたバス停の待合室として採用されたと発表した。
このN3エヌキューブは、小型風車や太陽光パネル、蓄電池をコンテナに格納した移動型独立電源(施設)。風力や太陽光により発電した電力を直に活用出来る他、コンテナ内部をカスタマイズする事で様々な用途に利用出来るという。
今回、吉田町のバス停の待合室として設置されたN3エヌキューブは、室内にベンチやテーブル、エアコン、換気扇、LED照明、Wi-Fi機器、コンセントの他、24時間体制で稼働する防犯カメラが取り付けられており、各種機器の稼働に必要な電力は全てN3エヌキューブによる自家発電電力で賄われる。
同町は、かねてより誰もが気兼ねなく出かけられる町づくりを目指して、町内の公共交通機関の整備に取り組んでいるため、このN3エヌキューブの活用により、サステナブルかつ安全なバス停を整備出来る事から本採用に繫がった。
加えて駿河湾に面する同町は、津波や災害に強い町づくりも推し進めており、今回の「N3 エヌキューブ」採用に遡る前年の2022年5月に、災害のための水防センターの発電装置としてN3エヌキューブを採用済み。
バス停の待合室として採用したN3エヌキューブも、町内で局所的な停電が発生した際にはトラックで運搬され、電力を供給する事も想定されている。
そうした非常時の対応能力を持つシステムであるN3エヌキューブは、実は温度管理が可能な防災倉庫、処理槽付きの循環式水洗エコトイレの他、2022年4月には、三重県桑名市の多度山上公園へ。2023年3月には、三重県松阪市の三峰山の登山口にも設置されている。