NTNは1月30日、奈良県五條市と共同で地震の被害を受けた石川県鳳珠郡能登町へ自社が独自開発した移動型独立電源「N3エヌキューブ」レストルームモデルの循環式水洗トイレ( 通称:空飛ぶトイレ )を設置した。
元々当該の循環式水洗トイレは、今春に奈良県五條市に設置予定であったのだが、震災の報を受けて奈良県五條市から同町に支援を申し出たことから、今回の無償貸与となった。
この循環式水洗トイレは、上部と壁面に取り付けた太陽光パネルで発電した電力を利用して汚物を分解し、再生水として循環させる処理槽を備えている。
ゆえに給排水が不要なため、地震による被害で上下水道が利用できず通常のトイレが機能しない環境でも、衛生面に配慮した手洗い付きトイレを利用できる。また汚物処理などのメンテナンスが長期にわたってほぼ不要となっている。
そんなN3 エヌキューブ レストルームモデルは、ヘリコプターでも輸送可能な軽量構造という特長から、通称「空飛ぶトイレ」と呼んでいる。循環式トイレとしてはヘリコプターによる空輸に対応した日本初の仕様。NTNでは「今後も自治体や行政機関と連携しながら、被災地の復興に向けた支援を検討してまいります」と話している。
設置場所:石川県鳳珠郡能登町
設置期間:2024年1月17日~3月中旬から下旬頃までを予定。
サイズ:幅2,100mm×奥行2,000mm×高さ2,550mm
構造:ヘリコプターでも輸送可能な軽量構造(今回は陸送)
質量:1,600kg(水を入れない状態)
定格発電能力:太陽光パネル1.5kW
トイレ数量:洋式便器1台
手洗:自動式手洗いを設置(手洗いに使用する水は雨水をフィルター、次亜塩素噴霧などを加えて滅菌して利用)
移動型独立電源「N3 エヌキューブ」について
小型風車と太陽光パネル、蓄電池などをコンテナに格納した移動型独立電源で、トラックなどにより持ち運びが可能。コンテナ内部のカスタマイズも可能なためエアコンを備え付けた防災倉庫や水防センター、エアコンや照明、Wi-Fi機器などを完備したバス停の待合室、ベンチやベッドを設置した休憩施設や授乳室、おむつ替え施設として使用可能。過去の災害時ではトラック輸送により停電エリアに電気を供給し、住民の情報源である携帯電話の充電に活用した実績がある。