国土交通省( 国交省 )は7月5日、同省の指示により型式指定申請に関わる不正行為の有無を継続調査していたトヨタ自動車から、〝過去10年分の国内向けモデル全ての認証プロセスの調査を完了。5月末時点で判明した以外の車種で、不正行為は確認されなかった〟との報告を受けた。
事の経緯は、昨年来より自動車メーカーの認証不正が相次いだことを懸念した国交省が、今年1月末から国内自動車メーカー・部品メーカー・インポーターなど自動車産業に関わる85社に対して、6月上旬を期限に過去10年に遡( さかのぼ )った認証不正に係る社内調査と報告を求めた。
しかし車両の生産規模などから対象車種が膨らんだトヨタは、期限内の社内調査が終了できないことから6月3日に、ひとまず5月末時点で不正が判明した現行生産の〝ヤリスクロス〟〝カローラアクシオ〟〝カローラフィールダー〟の3車種を含む7車種6事案についての認証不正( 国が定めた基準と異なる方法で試験を実施していた事案 )を中間報告した。
これを受けた国交省は、既に現行生産車で不正が発覚していた3車種の出荷停止を指示。6月4日にはトヨタ本社への立ち入り検査も実施した。なおこの現時点でトヨタ側は、先の3車種の出荷停止を受け、7月末まで当外車の生産停止する方針を公表している。
さて冒頭のトヨタ自動車からの全認証プロセスの調査完了報告を踏まえた国交省側は、原因調査の結果などを勘案し、行政処分の必要性を判断・対処を決定する見込みだ。
一方でトヨタ自動車は、「あらためまして、お客様をはじめ、ステークホルダーの皆さまに、ご心配、ご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。引き続き、国土交通省のご指導に基づいた適切な対応を進めてまいります」と述べている。