日産自動車は3月28日、「軽自動車用電動パワートレインシステム」で公益財団法人市村清新技術財団が主催する「第56回 市村産業賞」に於いて「功績賞」を受賞したことを明らかにした。
この「市村産業賞」は、日本の科学技術の進歩、産業の発展に顕著な成果をあげ、産業分野あるいは学術分野の進展に多大な貢献をした個人またはグループを表彰するもので、日産は2023年にも「可変圧縮比機構付き自動車用ガソリンエンジンの開発」で「第55回 市村産業賞・貢献賞」を受賞している。
なお今回、日産が受賞した技術概要は以下の通り
受賞テーマ:EVの普及に資する軽自動車用電動パワートレインシステム
受賞者:辻 俊孝氏(つじ としたか)・新井 健嗣氏(あらい けんじ)・井上 恵次氏(いのうえ しげつぐ)
当該技術を開発した背景には、自動車の電動化が進むなかで、国内登録車の約4割を占める軽自動車の電動化が遅れていた所にあった。
本格的な量販型軽EVの登場は、CO2排出低減の他、加速や静粛性で軽自動車の常識を覆すなど、日本のモビリティを変革するポテンシャルがあることから、日産は軽自動車用電動パワートレインシステムの開発に取り組んだ。
小型ながら195Nmの大トルクを出力するモータを採用することで、加速と静粛性をガソリン車に対し飛躍的に改善。航続距離180kmをターゲットに20kWhをバッテリ容量の最適値と見極めてバッテリの小型・軽量化を図った。
また新開発の急速充電制御により、高速走行と充電の繰り返し時の温度制限を回避し、長距離走行も可能とした。