日産自動車は9月13日、2021年SUPER GTシリーズ第5戦のレースレポートを公開した。
■GT500
2021年SUPER GTシリーズ第5戦が9月11、12日にスポーツランドSUGOで開催された。前戦で表彰台を独占したNISSAN GT-R NISMO GT500勢は、第4戦(ツインリンクもてぎ)で2基目のエンジンに換えた#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田 次生 / ロニー・クインタレッリ)以外の3台にも2基目のエンジンを投入し、上位進出を目指す。
なお、前戦の結果によりGT-R勢はサクセスウェイトが追加され、#23 GT-Rが44kg、#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手 晃平 / 千代 勝正)が56kg、#12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰 一貴 / 松下 信治)が16kg、#24 リアライズコーポレーションADVAN GT-R(高星 明誠 / 佐々木 大樹)が22kgとなっている。
– 予選
9月11日午後3時3分から10分間のQ1が開始。天候は曇りで、気温24度、路面温度27度とやや低めのドライコンディションとなった。GT-R勢の最速タイムは平峰がアタックした#12 GT-Rで、1分10秒404で5位、千代がアタックした#3 GT-Rは1分10秒681で8位となり、Q2進出を決めた。松田の#23 GT-Rは1分10秒842で12位、高星の#24 GT-Rは5周目にタイムを更新したが、1分11秒140で15位となっている。
午後3時41分から10分間のQ2が開始した。#12 GT-Rの松下は4周目に1分10秒243、5周目に1分10秒238と好タイムで3位。#3 GT-Rは平手がアタックし4周目に1分10秒332をマークし5位に。なお予選終了後、#23 GT-Rのエンジンにトラブルの兆候が見つかり、チームはエンジン交換を実施。#23 GT-Rは3基目のエンジンとなり、使用規定数を超えるため、決勝で5秒間のピットストップペナルティが科されることになった。
– 決勝
決勝が行われた9月12日は晴天に恵まれ、気温も上昇。気温29度、路面温度46度のコンディションのもと、午後1時30分にフォーメーションラップが開始された。フォーメーションラップは3周にわたり、レース周回数は83周に。スタートでGT-R勢はスタートポジションを守り、クインタレッリがドライブする#23 GT-Rはポジションを上げて11位になった。6周目、#23 GT-Rはペナルティ消化のためにピットインし、最後尾にポジションを下げている。
レース序盤、松下の#12 GT-R、千代の#3 GT-Rを交えた4台が激しい2番手争いを展開。3番手の#12 GT-Rは2番手に接近し、オーバーテイクのチャンスを伺い周回を重ねる。#3 GT-Rは5番手を守りながら前に迫り、2番手争いの集団に加わった。激しいポジション争いでいったんは4番手に下がった#12 GT-Rは、20周目と21周目にオーバーテイクを決めて2番手に浮上。23周目には#3 GT-Rが前車を抜いて4番手に上がった。
GT500クラスでは28周目からピットインするマシンが出始め、GT-R勢は#23 GT-Rが33周目、#12 GT-Rが34周目、#3 GT-Rが36周目、#24 GT-Rが37周目にピットインを行った。#24 GT-RがGT500クラス最後のピットインとなり、全車がピットインを終えた時点で#12 GT-Rが2番手、#3 GT-Rが5番手、#24 GT-Rが14番手、#23 GT-Rが15番手となっている。37周目、#3 GT-Rが緊急ピットイン。エンジンのマイナートラブルにより、マシンをガレージに納めてそのままリタイアとなり、これにより#24 GT-Rが13番手、#23 GT-Rが14番手となった。
レースは中盤に入り、46周目にトップのマシンにドライブスルーペナルティが提示され、47周目には最終コーナーの立ち上がりで火災を起こしたマシンが出て、セーフティカーが導入された。セーフティカー先導は7周にわたり、レースは55周目にリスタート。トップのペナルティによる脱落で#12 GT-Rは首位となった。#24 GT-Rは11番手、#23 GT-Rは12番手を走行。前後はかなりの接近戦で、2台は10位以内の入賞を目指し走行した。終盤でもペースを保つ#24 GT-Rと#23 GT-Rは順位を上げ、残り10周の時点で#24 GT-Rが8番手、#23 GT-Rが10番手を走行し、ともに入賞圏内となっている。#24 GT-Rの高星は積極的に前車をパスし6番手に浮上。#23 GT-Rの松田も7番手に浮上した。
#12 GT-Rの平峰は安定した走りでトップを守り、今季初優勝を達成。平峰と松下にとって、GT500クラスでの初優勝となった。#24 GT-Rは6位、#23 GT-Rは7位で入賞を果たし、GT-R勢は前戦鈴鹿から2連勝。次戦オートポリスも、今年のGT-Rとの相性の良いコースであることが予想され、日産/ニスモ陣営は好結果を目指す。
■GT300
SUPER GT第5戦には5台のNISSAN GT-R NISMO GT3が参戦し、#56 リアライズ日産自動車大学校GT-R(藤波 清斗 / ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が81kgというサクセスウェイトを搭載しながらも、予選10位からポジションを上げ、3位表彰台を獲得した。