日産自動車は、5月14日と15日に取締役会を開催し、ガバナンス体制強化に向け、監査役会設置会社から指名委員会等設置会社に移行することを決議した。
合わせて、先に設置した「暫定指名・報酬諮問委員会(委員長:井原慶子氏)」からの提言を踏まえ、新たな取締役候補者を全会一致で決議した。
両決議は、6月末開催予定の定時株主総会に提案される予定だ。
同定時株主総会での承認を経て、日産は、指名委員会等設置会社へ移行し、指名委員会・報酬委員会・監査委員会を設置。この移行プロセスの完了をもって、全監査役は退任する。
なお、この6月末定時株主総会での承認のもと、その後の取締役会で承認されることを条件に、西川廣人氏がCEOに、山内 康裕氏がCOOに就任する予定。
新取締役会は11名で構成され、独立性を有する社外取締役(独立社外取締役)が過半数の7名となる。また、取締役会議長は、独立社外取締役が務める。
取締役候補者は以下の通り。
[取締役候補]
<氏名、現役職>
– 井原 慶子、日産自動車株式会社 取締役
– 豊田 正和、日産自動車株式会社 取締役
– ベルナール デルマス、日本ミシュランタイヤ株式会社 会長
– アンドリュー ハウス、ソニー・インタラクティブエンタテインメントLLC 元会長
– 木村 康、JXTGホールディングス株式会社 相談役
– 永井 素夫、日産自動車株式会社 常勤監査役
– ジェニファー ロジャーズ、アシュリオンジャパン・ホールディングス合同会社 ゼネラル・カウンセル(アジア地域)
– ティエリー ボロレ、ルノーグループ CEO
– ジャン ドミニク スナール、日産自動車株式会社 取締役 ルノーグループ 取締役会長
– 西川 廣人、日産自動車株式会社 代表取締役 社長兼最高経営責任者(CEO)
– 山内 康裕、日産自動車株式会社 最高執行責任者(COO)
[退任予定取締役]
<氏名>
– 坂本 秀行
– 志賀 俊之
– ジャンバプティステ ドゥザン
– ベルナール レイ
[退任予定監査役]
<氏名>
– 永井 素夫
– 今津 英敏
– 池田 鉄伸
– 安藤 重寿
■コーポレート・ガバナンスの在り方
日産は、監督と執行の分離を徹底させ、本定時株主総会の承認を得て、現在の監査役会設置会社から指名委員会等設置会社に移行。
これに伴い設置される指名委員会、報酬委員会、監査委員会の委員長には、独立社外取締役を任命する。
■取締役会について
これまで以上に活発な議論と迅速な意思決定を担保することを目的に、取締役会の規模を11名とし、独立社外取締役を過半数にする。取締役の任期は2020年6月末開催予定の株主総会終結時となる。
■取締役候補について
取締役候補の人選は、3月に設置した「暫定指名・報酬諮問委員会」の提言をもとに取締役会が決定した。
グローバルな事業展開およびCASE(ケース:コネクティッド、自動運転化、シェア・サービス化、電動化)による自動車産業を取り巻く環境の変化等を踏まえ、取締役候補者の幅広い経験や知見、国籍およびジェンダーなど候補者の多様性を重視。
取締役会のダイバーシティを強化することによって取締役会の実効性を高め、日産のコーポレート・ガバナンス体制を刷新するとしている。