日産自動車は1月27日、電気自動車(EV)を活用し、地球温暖化や災害対策などの地域課題の解決を目指す日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を、ASEAN(アセアン)地域に拡大すると発表した。
この活動の下、日産は、災害時の支援やエネルギーマネージメントソリューションの提供などを行っている。
[アセアン地域に於けるブルー・スイッチ活動]
<災害時の支援活動>
フィリピンで昨年発生した大型台風「ライ」による大規模停電で、セブ州やタクロバン州に「日産リーフ」を派遣。搭載する大容量バッテリーから1,000台以上の携帯電話を充電するなど、地域住民を支援した。
<エネルギー共有と炭素削減>
エネルギー管理に於けるEV活用についての理解を深めるため、タイのサムットプラカーンに「Nissan Electrification Experience Center(日産エレクトリフィケーション・エクスペリエンス・センター)」を開設。EVのモビリティを超えた、動く蓄電池としての可能性について学習・体験ができる機会を提供する。
また、生産に於けるCO2削減の一環として、工場での再生可能エネルギーの利用を推進。タイ第2工場設置の太陽光発電パネルでは、タイ日産自動車、ニッサンパワートレイン(タイランド)、アジア・パシフィック日産自動車が使用する電力の1/3以上をまかなうことで、CO2を1カ月あたり400トン削減。これは、自動車86台が1年間で排出するCO2、または566本の植林で削減できるCO2に相当すると云う。
<エコツーリズム開発>
電動化技術が脱炭素化や地域交通網の最適化にどのように貢献できるかを検討し、観光セクターを支援。現在、フィリピンの観光省と協力して、エコツーリズムを推進する「Safe Trips」キャンペーンを実施している。
ブルースイッチの拡大について、ASEAN地域マーケティング・セールス担当リージョナル・バイス・プレジデント関口勲氏は、以下のように話している。
「日産は電気自動車のパイオニアとして、よりクリーンな世界と持続可能な社会の実現に貢献するために、EVの新たな活用を推進しています。電動化はASEAN地域においても当社の戦略の中核を担っています。同地域における『ブルー・スイッチ』活動の展開は、昨年11月に発表した長期ビジョン『Nissan Ambition 2030』の実現に向けた重要なマイルストーンとなります。このイニシアティブを通じて、タイ、フィリピンを含めたASEAN市場の地方自治体やパートナーと戦略的パートナーシップを構築していきます」。
■(日産)電気自動車による課題解決「ブルー・スイッチ」:https://www3.nissan.co.jp/first-contact-technology/blue-switch.html