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2019年4月23日【人事】

日産自動車、2019年5/16付役員体制の刷新を発表

坂上 賢治

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日産自動車・グローバル本社

 

カルロス・ゴーン氏が2015年にトヨタから引き抜いたダニエレ・スキラッチ副社長は退任。ゴーンチルドレンが離脱へ

 

 日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:西川 廣人)は4月23日19時頃、5月16日付けの役員体制を発表した。今回の体制変更は、3月27日に開催した当社取締役会において報告されたガバナンス改善特別委員会の提言を踏まえ、同日の取締役会にて決議されたもの。(坂上 賢治)

 

 

発表によると今体制については以下の点にフォーカスし、ガバナンスの改善・強化、事業の安定化を目指して経営体制の強化を図るものとしている。

 

1.ガバナンスの改善・強化を図るための推進体制を構築する。

2.新たにCOO(最高執行責任者)及びVice COO(副最高執行責任者)を選任し、通常のオペレーション業務の強化を図る。

3.グローバル事業において特に重要な地域(日本、北米、中国)を統括する役員を、当社の最高意思決定機関である、エグゼクティブ・コミッティ(EC)のメンバーに加える。

4.事業の安定化を当社の優先課題の一つと捉え、パフォーマンスリカバリー専任の役員を任命する。

 

 

 また同社は、同発表に加えて5月15日付でグローバルマーケティング&セールス、ゼロ・エミッション ビークル、バッテリービジネス担当、日本・アジア・オセアニアマネジメントコミッティ議長である副社長のダニエレ・スキラッチ氏の退任についても発表した。

 

これはスキラッチ氏の故郷である欧州で、新たなキャリアを目指したいという本人の申し出によるものだという。

 

 ちなみに同氏は2015年にトヨタ自動車の欧州法人で幹部を務めていたスキラッチ氏(当時50歳)を7月15日付でカルロス・ゴーン氏が副社長として迎え入れた。

 

同氏はイタリア生まれ。フランス語、英語、スペイン語に明るいため1993年にセールスマネジャーとして仏ルノー入社。その後の2001年に伊フィアットに転身しアルファロメオブランドを統括した。翌2002年にはトヨタ・モーター・ヨーロッパに入社。

 

トヨタ・モーター・ヨーロッパでは「レクサス」ブランドを含む営業とマーケティングを指揮するシニア・バイス・プレジデント兼チーフ・マーケティング・オフィサーを務めた。

 

当時、日産でのキャリアを持たずに直に同社のECメンバーになる人事は、この頃としては珍しいものだった。日産ではニッサンやダットサン、インフィニティの各ブランドの責任者を務めたが、同社では「これまで幅広い日産の事業において大きな成果をあげました」と記している。

 

以降の行く先については明らかではないが、先達の日産役員達と同じく、いずれは欧州企業の上層部の席に座ることになるのだろう。

 

 

西川 廣人CEOは「スキラッチ氏は、当社のEV事業の強化や『ニッサン インテリジェント モビリティ』の普及に尽力されたほか、自動運転や電動化、コネクテッド戦略を軸とした当社の中期的なビジョンの策定をリードされました。

 

また、e-POWERやプロパイロット技術の導入を成功に導き、日本事業における『ノート』や『セレナ』の販売に大きく貢献しました。これまでの多大な貢献に感謝するとともに、今後の益々の活躍を祈念しています」とのコメントを残している。

 

 ちなみに日産に関わるトップ人事では、かつてゴーン氏の右腕として日産の再建に尽力し、ルノーCOO(最高執行責任者)となった後「いつかはCEOを目指したい」と公言していたカルロス・タバレス氏が、個人的理由で2013年8月に退任しPSAを率いることに。

 

翌2014年7月にインフィニティのトップだったヨハン・ダ・ネイシン氏が米GM(キャデラック部門統括)へと転身(同氏は本社上級副社長を務めた後、2018年に4月に退社)。

 

同2014年9月には当時のカルロス・ゴーン氏に次ぐナンバー2だったアンディ・パーマー氏(CPLO/チーフ・プランニング・オフィサー)が英アストンマーチンのトップに転身するなど、そもそも役員という職籍そのものが実力主義とは云え、腰が据わらない印象を感じさせ、招聘した上層部人事の入れ替えが長らく続いている。

 

執行役員の異動及び担当業務変更<氏名/新役職(現役職)・新担当・現担当>は以下の通り

 

氏名:山内 康裕/COO(CCO)
新担当:
・4マネジメントコミッティ 統括(日本、アジア・オセアニア、中国、関係会社)
・7部門 統括(グローバルマーケティング&セールス、グローバルアフターセールス、日産生産・SCM、日産R&D、グローバルEV、日産購買、グローバルデザイン)
(現担当):
・関係会社マネジメントコミッティ 統括
・3部門 統括(日産生産・SCM、日産R&D、日産購買)

 

氏名:クリスチャンヴァンデンヘンデ/CQO兼Vice COO(CQO)
新担当:
・品質、トータルカスタマーサティスファクション
・4地域マネジメントコミッティ 統括(北米、欧州、アフリカ・中近東・インド、ラテンアメリカ)
・4部門 統括(インフィニティ、ダットサン、LCV、グローバルIS)
(現担当):
・品質、トータルカスタマーサティスファクション

 

氏名:星野 朝子(新ECメンバー)/副社長(専務)
新担当:
・日本マネジメントコミッティ 議長
・アジア・オセアニアマネジメントコミッティ地域 統括
・グローバルマーケティング&セールス
・グローバルアフターセールス
・グローバルEV事業
(現担当):OC-Japan

 

氏名:川口 均(新ECメンバー)/副社長(専務)
新担当:
・チーフサステナビリティオフィサー
・グローバル渉外
・グローバル広報
・コーポレートサービス、環境/CSR
・IPプロモーション
・コーポレートガバナンスオフィス
(現担当):
・チーフサステナビリティオフィサー
・グローバル渉外
・日本広報
・コーポレートサービス、環境/CSR
・IPプロモーション

 

氏名:中畔 邦雄/副社長(専務)
新担当:日産R&D(現担当):日産R&D

氏名:内田 誠(新ECメンバー)/専務(専務)
新担当:
・中国マネジメントコミッティ 議長
・東風汽車有限公司 総裁
(現担当):
・中国マネジメントコミッティ
・東風汽車有限公司 総裁

 

氏名:関 潤(新ECメンバー)/専務(専務)
新担当:パフォーマンスリカバリー
(現担当):生産技術

氏名:ホセ ルイス バルス(新ECメンバー)/専務(専務)
新担当:
・北米マネジメントコミッティ 議長
・北米日産会社 社長
(現担当):
・北米マネジメントコミッティ 議長
・北米日産会社 社長

理事(VP)の就任及び担当業務

 

氏名:パッシ ラビンダ(新任)/理事(VP)
新担当:グローバル法務
(現担当):グローバル法務

 

氏名:ムレイクリスティーナ(新任)/理事(VP)
新担当:
・グローバル内部監査
・グローバルリスク&コンプライアンスオフィス
(現担当):
・グローバル内部監査
・グローバルリスク&コンプライアンスオフィス

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。