日産自動車は1月14日、同社の日産フォーミュラEチームが参加したABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11の第2戦に於いて、オリバー ローランド選手がGEN3 EVOでの初勝利を飾ったことを発表した。
ローランド選手は予選セッションで準決勝へ。決勝グリッドは4番手に並んだ。ステディなスタートを切った後の2週目のターン1で3位に上がり、レース中盤にオーバーテイクを成功させて更に順位を上げた。
この間、他のドライバーの様子を伺うローランド選手はアタックモードを後半まで温存。セーフティカー導入後の再スタート後に残りのパワーを活用して首位に浮上。メキシコでの今季初勝利を収めた。
一方、チームメイトのノーマン ナトー選手は、フラストレーションの多い予選の後、18位からスタートし、接近戦の中で周囲と激しく戦い、クリーンな走りで順位を5つあげて13位でフィニッシュした。
この結果を受け、日産はシーズン11の最初の2ラウンドを終えた現時点で、マニュファクチャラーズランキングで2位に浮上。ローランド選手もドライバーズランキングで同じく2位に付けた。次戦は2月14日~15日に、今季初のダブルヘッダーが行われるサウジアラビア ジェッダでの初開催ラウンドが予定されている。
今回の成果に、日産フォーミュラEのゼネラルマネージャー兼日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクターのトマソ ヴォルペ氏は、「日産にとって非常に重要な市場であるメキシコに於いて、応援してくれているファンの前で勝利できたことはチームにとって最高の結果です。
ローランドは残りの数周で見事なオーバーテイクを成功させ、素晴らしい走りを見せてくれました。ナトーも良いスピードを見せましたが、予選でのミスによりスタートポジションを下げてしまい、全体を通して堅実なドライブを見せたにもかかわらず、大きな影響を受けてしまいました。しかし、全体としては満足しており、今回のパフォーマンスは残りのシーズンに向けて大きな自信になります」と語った。
またオリバー ローランド選手は、「メキシコでの勝利を非常に嬉しく思います。ここには熱いファンがおり、素晴らしいスタジアムがあり、勝ちたいと思っていたコースです。チームの戦略がうまく機能しましたが、セーフティーカーのタイミングが悪く、ちょうどアタックモードを起動したところでした。
しかし、幸運にもレース再開後に約1分の追加パワーが残っていて、オーバーテイクに向けてここで決めるという気持ちで攻めました。デュエルで小さなミスがあったのですが、チームのためにこの勝利を得ることができて、信じられない気持ちです」と緒戦での優勝を喜んだ。
チームパートナーのノーマン ナトー選手は、「レースを通じて大きな可能性を示せましたが、残念ながら予選の重要なタイミングでうまくまとめることができませんでした。
ピットインのタイミングが早かったため、デュエルに進むために必要なタイヤ温度のマネージメントが上手くできず、メキシコのコースではこれが大きく影響してしまいました。ポジティブな点としては、チームがマニュファクチャラーズランキングで2位になり、ローランドが勝利したので、私たちは正しい方向に進んでいるという点です」と話している。