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2025年2月17日【イベント】

日産フォーミュラEチーム、ジェッダで連続表彰台を獲得

坂上 賢治

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日産フォーミュラEチームのオリバー ローランド選手は、ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11のジェッダE-Prixで第3戦で2位、第4戦で1位となり、2戦連続で表彰台に立った。

 

両レースの勝利によりローランド選手は、ドライバーズランキングで首位に立ち、日産フォーミュラEチームもチームランキングでトップに躍り出た。更に2戦連続での日産とNEOMマクラーレンの表彰台獲得により、日産はマニュファクチャラーズランキングでも2位以下を大きく引き離し首位に立った。

 

 

フォーミュラE初のピットブーストが導入された第3戦で、3番手からスタートしたローランド選手はオープニングラップで素早く2位に浮上。11周目にはトップの座を奪った。

 

その後、チームの完璧なサポートによりピットブーストを完了した後もトップを維持したが、最後のコーナーでエネルギーを温存せざるを得ず、わずかに勝利を逃し2位でゴールした。

 

 

第4戦の予選は2位で終え、決勝戦では、序盤は2位の座を維持しながら、後半にはアタックモード戦略を完璧に実行して再び先頭に立った。エネルギーの余裕もあり、ローランド選手は2位との差を約6秒に広げ、独走優勝し前日の惜敗をリベンジした。

 

今週実施された2戦の結果によりローランド選手のシーズンポイントは68点となり、NEOMマクラーレン フォーミュラEチームのテイラー バーナード選手は第3戦で3位、第4戦でも2位に入り、日産パワートレインによる1-2フィニッシュを達成。マニュファクチャラーズランキングで2位に対して47ポイント差をつけて首位に立っている。

 

 

一方、第3戦を12位からスタートしたナトー選手はポイント圏内に進出したが、技術的な違反によるドライブスルーペナルティが彼の進行を妨げ、最終的に20位でフィニッシュした。第4戦では10番手からスタートし、オープニングラップでポジションを上げたが、アタックモードフェーズで失速。密集したフィールドの中で、エネルギーを温存できず、31周のレースを終えて15位でゴールした。

 

なお木曜日に開催された若手ドライバー向けのセッションFP0では、ガブリエレ ミニ選手が参加し、堅実なセッションを終え、2番目に速いタイムを記録した。

 

 

日産フォーミュラEのゼネラルマネージャー兼日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクターであるトマソ ヴォルペは、「第3戦の2位獲得に続き、第4戦でシーズン2勝目を挙げられたことを非常に嬉しく思います。

 

特に日産と私たちのイノベーションパートナーであるエレクトロミンにとって重要な会場での勝利です。金曜日の第3戦ではローランドはレースを通して素晴らしいドライブを見せましたが、勝利をわずかに逃しました。ナトーはタイヤプレッシャーのミスがあり、残念ながらドライブスルーペナルティを受けてしまいました。

 

難しいダブルヘッダーの2レース目である土曜日の第4戦は、前日のデータを活用した調整がうまくいきました。予選でナトーがデュエルに進めなかったのは残念でしたが、ローランドはフロントローに並びました。

 

戦略は完璧で、必要な時にトラブルを避け、アタックモードを適切なタイミングで使いました。一方ナトーは、10番手スタートは簡単ではなく、エネルギーを温存するのが難しかったため、最後に前に出ることができませんでした。第3戦でのピットブーストは追加の課題を提起しましたが、私たちはうまく管理し、チームが行った準備とその実行力を非常に誇りに思っています。

 

ジェッダでのダブルヘッダーでは、いくつかの課題があったものの、3つ全てのランキングで首位を保ったまま終えられたことを非常に誇りに思っています。しかし、シーズンの前半の現時点で改善が必要なことも浮き彫りになりました。次回のマイアミに向けて、改善点に取り組みます。相手チームも改善してくるので、私たちも進化を続け、このレベルでのパフォーマンスを維持し、ランキングでの位置を守る必要があります」とレースを振り返った。

 

 

またオリバー ローランド選手は、「ジェッダで再び勝利できたことをとても嬉しく思います。予選で2位を獲得できたのは素晴らしいことで、序盤にスリップストリームを活用してエネルギーを温存することができました。

 

レース中は時折集団内でアグレッシブな瞬間がありましたが、タイミングを見計らって前に出てトラブルを避けました。アタックモードに関する戦略は完璧で、スムーズにフィニッシュするためのギャップを拡大することができました。

 

ジェッダでの2戦はそれぞれ非常に異なるレースでしたが、マシンは好調で、両日ともに強いパフォーマンスを発揮しました。全てのランキングでリードしているのは素晴らしいことですが、私たちの焦点はレースごとの取り組みを着実に実行し、シーズンの終わりに良い位置にいるために最善を尽くすことです」と語った。

 

 

加えてノーマン ナトー選手は、「今回のレースは強力な相手により、全てをうまくまとめることができませんでした。昨日の技術的な違反は悔しく、ポジションを大きく落としてしまい、ピットブーストフェーズで戦略を最大限に活かすことができませんでした。

 

今日は厳しいレースで、序盤に7位まで上がりましたが、集団内で混乱があり、接触後にいくつかのポジションを失ってしまいました。トップ10に入るために異なるアプローチを試みましたが、うまくいきませんでした。

 

ポイントを獲得できずに終えるのは悔しいですが、ローランドが証明したようにチームのマシンは競争力があり、自信を感じています。しかし、いくつかの不運やミスが重なり、難しい状況になっています。引き続き努力し、この週末から学び、より良い形で戻ってトップポジションを争いたいと思います」と話している。

 

 

最後にガブリエレ ミニ選手は、「興味深いFP0でした。多くのことを学び、セッションを通じて大きく改善しました。ベルリンで運転した車とは全く異なるもので、タイヤのグリップレベルが大きな違いをもたらしました。300kWと350kWのパワーモードでラップを走れたのは良い経験で、チームを助けてスムーズなセッションを完了できたことを嬉しく思います。

 

自分のパフォーマンスに満足しており、再び車を運転できる機会があればぜひやりたいです。素晴らしいレースを終えたチームにおめでとうと言いたいですし、この調子でシーズンの残りも続いていけることを願っています!」と今後の抱負を語っていた。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。