日産自動車は3月3日、四万十市と、日産自動車ならびに日産サティオ高知、及び高知日産プリンス販売の4者が、「電気自動車を活用したまちづくりに関する連携協定」を締結したと発表した。
この協定は、電気自動車の普及を促進することにより、温室効果ガスの削減、災害対策の強化、観光の活性化を目的として締結された。協定の内容は、四万十市が、『電気自動車(EV)の普及を通じて、地域課題解決や環境負荷の低減に取り組むと共に、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、日産の販売会社である日産サティオ高知、高知日産プリンス販売より貸与される電気自動車(EV)「日産リーフ」を電力源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める』という災害時の電気自動車(EV)からの電力供給に関する内容に加え、環境対策や、観光活性化についての取り組み内容を含んでいる。
四万十市は、日本最後の清流として知られる四万十川を有し、その四万十川流域特有の景観は文化庁の「重要文化的景観」に選定されるなど、四季折々の大自然や景勝に恵まれている。また、その豊かな地域資源を生かした産業振興を行うことにより、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを行い、SDGsを推進している。そして、東北地方太平洋沖地震から得られた教訓と知見をもとに、市民の「命を守る」ことを基本とした、防災・減災対策にも積極的に取り組んでいる。
一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車(EV)普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。また、「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成を目指す。
この日産自動車が推進する『ブルー・スイッチ活動』、そして、四万十市が推進するSDGsや環境・防災対策と、双方の取り組みにお互いが賛同し、今回、協定の締結を行う運びとなったという。日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては、今回の締結が全国で85件目となり、四国地方で2件目の締結となる。また、EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む、ブルー・スイッチ活動としては114件目の取り組みとなる。
「電気自動車を活用したまちづくりに関する連携協定」の概要は、以下の通り。
【協定の概要】
(1)環境対策に関する事項
・四万十市は、温室効果ガスの削減対策として、環境にやさしい電気自動車(EV)の普及促進に取り組む。
・四万十市および日産自動車、日産サティオ高知、高知日産プリンス販売は、四万十市が主催する電気自動車(EV)の普及を目的としたイベント等において、協力して、電気自動車の展示等を行い、EVの普及促進活動を行う。また、「日産わくわくエコスクール」等の環境教育イベントを実施し、環境教育に取り組む。
(2)防災・災害対策に関する事項
・四万十市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、日産サティオ高知、高知日産プリンス販売の店舗に配備している電気自動車(EV)「日産リーフ」を無償で貸与する。
・四万十市、日産自動車、日産サティオ高知、高知日産プリンス販売の協力により電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
・四万十市および日産自動車、日産サティオ高知、高知日産プリンス販売は、平常時も電気自動車(EV)の普及促進を行うほか、市のイベントで使用する電力を電気自動車(EV)から供給することで、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての活用を市民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。
(3)観光の活性化に関する事項
・四万十市内の充電器設備の周知とともに、電気自動車(EV)で旅行しやすい場所として、四万十市の観光地を広報し、環境に配慮した観光の活性化を図るよう努める。
災害発生時の「日産リーフ」からの電力供給イメージ図
– 日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」ウェブサイトhttps://ev.nissan.co.jp/BLUESWITCH/