当地顧客に対してモビリティ体験強化へ向けた投資を実行
日産自動車傘下の日産( 中国 )投資有限公司( NCIC )は、11月5日に開幕した〝第5回中国国際輸入博覧会( CIIE )〟で新会社「日産モビリティサービス有限公司」の設立を発表した。日産としては中国での継続的な取り組みの一環として、モビリティサービスを中心に関連事業を展開していく構えだ。( 坂上 賢治 )
かつて1972年に中国に初参入して以降、当地で自社ブランドを発展させて来た日産は、上記新会社の本社を江蘇省蘇州市相城区に置く。この江蘇省蘇州市で蘇州高鉄新城と連携しながらモビリティサービスへの投資とロボットタクシーサービスの事業展開に取り組む事で、中国に於けるインテリジェント交通システムの発展を目指す意向だ。
中国外の国際的な自動車メーカーで、中国内にロボットタクシー専門の会社を設立するのは日産が初めて。より具体的な取り組みとしては、広州市でレベル4の自動運転技術を開発したWeRideへ蘇州市に於けるプロジェクトに関して技術サポートを提供する予定。
この流れを踏まえWeRideの張力COOは「当社は、自動運転技術の研究開発から運用まで幅広く参加し、全面的にサポートする予定です。常に安全を最優先している我々は、日産と協力して蘇州市民に安全で使い易く快適な自動運転体験を提供し、革新的な技術で生活の質を向上させて行きます」と語った。
対して日産の専務執行役員兼NCIC会長の山﨑 庄平は「人々の生活を豊かにする未来の技術、モビリティに関するソリューションや商品をお客様に提供して行く事は、当地の日産の長期戦略に於いて重要です。新会社は、中国市場で50年間を積み上げて来たこれまでのマイルストーンと、同国市場に対する新しいコミットメントの姿勢を表しているものです」と語った。
またNCIC社長の木俣 秀樹は「蘇州市相城区は、ルノーと日産の研究開発を担う合弁会社のアライアンス研究開発有限公司がある上海に近く、事業展開への支援と協業の機会がある事から、新会社の拠点として選ばれました」と話す。
更に蘇州市相城区の高官である梁智垚氏は「日産は、最も早く中国市場に進出したグローバル自動車メーカーの一つとして、中国の自動車産業の成長と発展を見守って参画。絶えず先進的な技術や商品を投入し、市場の発展に積極的に貢献して来ました。
電動化、自動運転、コネクティビティ、モビリティサービスの分野において、豊富な技術的専門知識と強力なプレゼンスを持つリーディングカンパニーとして、日産はCIIEにて、業界のトレンドを形成するわくわくする商品を展示してくれています」と述べた。
ちなみに第5回CIIEは、11月5日から10日まで上海市の国家会議展示センター( NECC )で開催され、2021年に中国国内で138万台を車両を販売した日産は、ホール2.1のブースに出展。同ブースで日産は、サステナビリティ関連の最新の成功例を展示すると共に、持続可能な交通手段を求める当地の顧客に対して多様なモビリティソリューションを提案していく構えだ。