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2018年11月22日【オピニオン】

日産取締役会、遂にゴーン氏の会長職・代表権を解く

坂上 賢治

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<決議事項>
– 「取締役 カルロス ゴーン氏について、会長職を解く」
– 「取締役 カルロス ゴーン氏について、代表権を解く」
– 「取締役 グレッグ ケリー氏について、代表権を解く」
– 「当社のガバナンス管理体制および取締役報酬にかかるより良いガバナンスについて、独立した第三者の提言を適切に取り入れるための委員会の設置を検討する」としている。

 

なお上記委員会の進め方については、日産の社外取締役の豊田 正和氏、井原 慶子氏、ジャン・バプティステ・ドゥザン氏の三名に委任する。

 

 加えてルノーが20日・パリで実施した取締役会に利益相反を理由に日産側の取締役の出席が認められず、その後の日産はルノー側からのゴーン氏解任決定の延期要請に従わず、また後任人事で、ルノーによる取締役派遣を認めない考えを示したとされる。

 

これを踏まえ後任の取締役会長選任については、豊田正和氏を委員長とし、井原慶子氏、ジャン・バプティステ・ドゥザン氏の社外取締役によって構成される委員会を設置し、現取締役の中から取締役会長候補を提案する事が日産内部で決まっている。

 

 日産の三人の社外取締役のうちジャン・バプティステ・ドゥザン氏(72歳)は1982年にルノー入社。1992年にルノーのSVP(シニア・バイス・プレジデント)に就任。2009年6月に日産の非常勤取締役に就任して以降の日産に於けるキャリアを持つ。

 

一方、豊田正和氏(69歳)は、東京大学法学部から米国プリンストン大学行政大学院で修士を得て、1973年に通商産業省(経済産業省)入省から内閣官房参与、日本エネルギー経済研究所理事長から複数の民間企業の外部取締役を経て今年6月に社外取締役に就任。

 

井原慶子氏(45歳)は、F1のレースクイーンを皮切りに25歳の時に自らもレースデビュー。国際的な女性レーシングドライバーとして活躍しつつ、官公庁や自治体の審議会委員や政策アドバイザーを経て同社初の女性でかつ最年少(取締役として)の社外取締役に今年6月就任したばかりだ。

 

 ちなみに今日、取締役会後の本社に於ける会見等は行われずに終わっている。翻ればおよそ半年前、5月18日の人事がひとつの一因となって動き出したものとも思われる今事案だが、現段階では、今後の日産を率いるリーディングスタイルの姿はヒントの兆しすら見えていない。しかし会議後の深夜に日産本社を後にした西川廣人社長は、今後の事業安定への道が長丁場になると捉えているようだ。

 

ただその過程が不毛な争いに至ってしまっては元も子もない。沈着にかつ、冷静に、考え抜いた合理的な判断が求められるなか果たして「正しい回答」へ導けるのか。その「成果」は取締役会に臨むリーダー達の選択に懸かっている。( 坂上 賢治 )

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。