日産自動車は、1月18日、三菱自動車(MMC)とのNissan-Mitsubishi B.V.(NMBV)における日産の元代表取締役会長のカルロス ゴーン氏による不正行為に係る共同調査の結果、ゴーン氏がNMBVから不正に金銭の支払を受けていたことを確認した、と発表した。
NMBVは、日産とMMCの協業によるシナジー創出の促進を目的としたオランダ法人として、両社の折半出資で2017年6月に設立。ゴーン氏は、このNMBVの取締役として就任していた。
日産の発表によると、今回の共同調査で、ゴーン氏が独自にNMBVと雇用契約を締結していたことが判明。雇用契約に基づく報酬とされるものを含め、2018年4月から11月の期間に、NMBVの資金から総額782万2,206.12ユーロ(Tax含む)の金銭の支払いを受けていたと云う。
また本来、NMBVの取締役に係る報酬の決定や報酬を定めた雇用契約の締結は、同社の取締役会の決議が必要となるが、ゴーン氏は、同社の他の取締役(日産取締役社長の西川廣人 氏、MMC取締役会長CEOの益子修 氏)との協議を経ずに雇用契約を締結。不正に上記金銭の支払いを受けていたとしている。
更に今回の調査を通じて、2016年6月の日産とMMCの提携発表直後から、ゴーン氏と日産の元代表取締役グレッグ ケリー氏らが、開示することなくゴーン氏に対する報酬を支払うため、日産とMMCの折半出資による非連結会社の設立の可能性を検討していたことも確認。なお、NMBV取締役の西川氏および益子氏は、同社からの報酬等の支払いを、受けていないと云う。
日産は、不正に支払われた上記金銭の返還をゴーン氏に求めるべく、今後検討していくとしている。