日産自動車と日産の販売会社である日産プリンス西東京販売は、東京都羽村市と8月19日、「災害時における電気自動車からの電力供給に関する災害連携協定」を締結した。
協定は、「羽村市は、地震災害等による大規模停電が発生した際、市が指定する避難所等において、日産プリンス西東京販売から貸与される電気自動車(EV)の『日産リーフ』を電力源として活用することで、避難所等の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める」というもの。
羽村市は、この連携協定締結にあわせ、「日産リーフ」4台を導入し、通常の公用車として使用するほか、各種イベントなどにおける電力源としても活用。
また、市庁舎に設置されている太陽光パネルで発電した電力を、「日産リーフ」に充電することで、災害発生時における大規模停電が発生した場合に、電力源として利用する。
羽村市は、市域の地球温暖化施策の運輸部門対策として、自動車からの二酸化炭素排出量をゼロにすることを目標に掲げた取組み「AZEMS(All Zero Emission Mobile System / 以下、エイゼムス)プロジェクト」を推進。エイゼムスは、太陽光発電システムとリチウムイオン二次電池を多段的に用いてマイクログリッドEV急速充電を構築したコンパクトなスマート交通システムとなっている。
なお羽村市は、この先進的な取組みが認められ、平成29年度に、地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞している。
一方、日産は、EVの普及を通してゼロ・エミッション社会を実現し、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、昨年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を提唱。
地域が抱える、防災・減災、温暖化対策、過疎、観光、そしてエネルギーマネジメントなどの様々な課題に対し、EVの大容量のバッテリーなどを活用し、自治体や企業と協力しながら、解決できるよう取り組んでいる。
今回、日産が推進する「ブルー・スイッチ活動」と羽村市の「エイゼムスプロジェクト」、双方の取組みにお互いが賛同、協定締結に至ったと云う。
[災害連携協定の概要]
・羽村市で災害発生を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所(市内10か所)等に、太陽光発電を供給源とするEVを配備し、巡回型の電力供給体制を構築する。また、日産および、日産プリンス西東京販売は、店舗に配備しているEV「日産リーフ」を無償で貸与する。
・羽村市と日産、日産プリンス西東京販売は協力し、EVからの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、指定避難所等の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
羽村市は、協定締結を契機として、羽村市内の企業や市民が所有するEVを災害時に活用するための方策を検討し、災害に強いまちづくりを目指す。
また、平成26年度に市独自のAZEMS(エイゼムス)プロジェクトを立ち上げた際に追加した次世代自動車を導入する場合の助成メニュー(上限30万円)を今後も継続し、地球にやさしいスマートなまちづくりを目指していきたいとしている。
羽村市と日産は、この協定締結を機に、今後も地球温暖化防止とゼロ・エミッション社会の実現に向け、更には、EVの普及を通じたさまざまな地域課題の解決に向けて連携を強化していくとしている。