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2024年9月4日【ESG】

日産、子守り支援ロボに「置き去り事故防止機能」を追加

坂上 賢治

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日産自動車は9月4日、チャイルドシートに子供座らせている時、子供の状態を伝え続ける子守り支援ロボット「INTELLIGENT PUPPETイルヨ(イルヨ)」を赤ちゃん本舗と共同発表した(先の1月に完成したコンセプトモデル)。

 

日産によると、「イルヨ」の表情や仕草、乳児・幼児とのドライブ中に起こる様々な困りごとを解決するための機能等が好評を得ているという。

 

 

そこで日産は、更に利用者の要望を受けて、その「イルヨ」に子どもの車内置き去り事故を防止する新機能「マダイルヨ」を追加。この新機能を9月15日(日)の日産グローバル本社ギャラリーで行う披露式に紹介する。

 

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日産では、「子守り支援ロボットのイルヨは、当社が実施してきた熱駐症ゼロプロジェクトや、置き去り事故防止プロジェクトを背景にドライバーとお子さまのみでのドライブで、親御さんの安心安全な運転に貢献することを目指して開発しました。

 

その後、お客さまから様々な貴重なご意見やアイデアを頂きましたが、特に〝子どもの置き去り事故防止機能〟の拡充を望まれるご意見が多数寄せられたことで、同機能を追加・搭載致しました。

 

 

子どもの車内置き去り事故は、ヒューマンエラーにより誰にでも起こりうる重大な問題であり、実際に5人に1人の保護者様に於かれ、1年以内に子どもを残してクルマを離れたことがあるとの調査結果も発表されています( 三洋貿易子どもの車内置き去り実態調査2023: https://www.sanyo-trading.co.jp/2023/07/05/survey-children-left-behind/ )。

 

我々は平素より、日産車が関わる交通事故による死亡・重傷者数をゼロにする取り組み〝ロ・フェイタリティ〟を掲げており、この度、降車時に後部座席を振り返ることを促す〝マダイルヨ〟を合言葉に新機能を追加搭載致しました。

 

これは、後部座席のチャイルドシートに設置したイルヨと保護者様のスマートフォンを無線で接続し、その接続の強弱から距離を推定。イルヨと保護者が離れていないかを検知します。

 

更にイルヨの表情認識カメラが、車内に子供が取り残されていないを確認。イルヨが保護者様と約3メートル前後離れてしまわれ、かつ車内に子供が残っていると認識した際は、スマートフォンに警告通知を送信して、車内への置き去りが起きてしまっていることを知らせる仕組みです。

 

 

当社は9月15日(日)に日産本社ギャラリーにて、子育てインフルエンサーの木下ゆーきさんと、当該プロジェクトにご監修頂いた小児科医の坂本昌彦先生をお迎えして、この新機能のお披露目&トークイベントを開催致します。また同15日と翌16日(月・祝)には、一般のお客さまに向けたイルヨ体験会も開催致します」と話し、参加を呼び掛けている。

 

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日時 :2024年9月15日(日) 14:00〜
場所 :日産グローバル本社ギャラリー

 

登壇者:
・木下ゆーき さん(タレント/子育てインフルエンサー)3児の父。おむつ替え動画シリーズ、子育てモノマネ動画など、笑いや共感を呼ぶSNS投稿が多方面で大人気。圧倒的なトークスキルで全国的な人気と集客力を誇るインフルエンサー。

 

 

・坂本昌彦先生(佐久総合病院佐久医療センター 小児科 医長)
名古屋大学医学部卒。専門は小児救急、渡航医学。ママやパパへの子どもの事故・病気の啓発や救急外来の負担軽減を目的に、一般社団法人佐久医師会による子育て支援プロジェクト「教えて!ドクター」のプロジェクト責任者を務める。

 

 

観覧席申込み:
下記URLより9月5日(木) 12:00からお申込み受付を開始。事前申し込みから先着で案内し、定員に達し次第、受付は終了する。※当日の立ち見観覧も可能。
https://forms.gle/UbTPyotrZnsgNQdr6

イルヨ体験会
会場では、日産の軽自動車「ルークス」に「イルヨ」を設置し、実際に運転席に座って頂きながら、新機能の「マダイルヨ」を含めた「イルヨ」の様々な機能を体験して貰う。
日時 :2024年9月15日(日)〜9月16日(月・祝) ※15日トークイベント中は一時中断
場所 :日産グローバル本社ギャラリー

 

日産外観

 

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子守り支援ロボット「イルヨ」とは以下の通り

 

名称:INTELLIGENT PUPPET イルヨ
各ロボットの名称:「イルヨ」(後部座席に設置)、「ベビー イルヨ」(運転席横のドリンクホルダーに設置)。

 

機能
(1)「ここにいるよ」、「いないいない、ばぁ」、「こっちだよ」、「お歌を歌うよ」の4つのウェイクワードを「ベビー イルヨ」が音声認識。それぞれのウェイクワードに合わせて「イルヨ」が作動し、チャイルドシートに座っている赤ちゃんをあやす。

 

(2)「イルヨ」がチャイルドシートに座る赤ちゃんの表情の変化をカメラで検知。赤ちゃんの目の開閉を感知することで「ベビー イルヨ」も目を開閉。運転席のドライバーに、赤ちゃんが寝ているか起きているかを知らせる。

 

新機能「マダイルヨ」について 
「イルヨ」と保護者のスマートフォンを無線で接続。
イルヨの表情認識カメラで、子どもが車内に残されているか否かを検知。
イルヨと保護者が閾値※4以上に離れ、かつ車内に子どもが残っていると認識すると、保護者のスマートフォンに警告通知を送付。

 

「マダイルヨ」紹介ムービーURL:https://youtu.be/icX31yhHc2A

 

 

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プロジェクト監修者・佐久総合病院佐久医療センター 坂本昌彦先生は、「子どもは大人より汗をかきにくく、外気温の影響を受けやすいため、体温が上がりやすい体質です。また、環境に合わせて自身で調節することもできません。

 

そのため暑い環境では熱中症にかかりやすく、その危険が最も高い事象が車内の置き去り事故によるもので、命に関わる問題とされています。そして車内置き去り事故は、実は誰にでも起こりうるものです。

 

研究では、ストレスが人の作業記憶に影響を及ぼすことが分かっています。ストレスを抱えていたり日常生活が忙しかったりすることは保護者の記憶に影響を与え、うっかり車内に子どもを置き去りにしてしまうリスクを高めます。

 

「マダイルヨ」は、車内置き去り事故が「誰にでも起こりうる」ことを前提に、子どもと保護者を繋げる役割を果たします」と説明して、注意を呼び掛けている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。