日産自動車、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルは10月24日、SUPER GT 2021第6戦のレースレポートを公開した。
2021年SUPER GTシリーズ第6戦は10月23、24日にオートポリスで開催。九州での開催は2年ぶりとなり、多くのファンが観戦に訪れた。
■GT500
2連勝で第6戦を迎えたGT-R勢にはサクセスウェイトが追加され、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田 次生 / ロニー・クインタレッリ)が52kg、#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手 晃平 / 千代 勝正)が56kg、#12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰 一貴 / 松下 信治)が56kg、#24 リアライズコーポレーションADVAN GT-R(高星 明誠 / 佐々木 大樹)が32kgとなった。
#23 MOTUL AUTECH GT-RがQ2進出を果たし予選5位
– 予選
10月23日、午後2時28分から10分間のQ1が始まった。天候は晴れ、気温14度、路面温度24度という低めのドライコンディションで、タイヤ選択の難しい状況となった。
GT-R勢は入念にタイヤのウォームアップを行い、セッション終了間際の4周目にアタック。GT-R勢で最速タイムを出したのは松田がアタックした#23 GT-Rで、1分32秒622のベストタイムで6位となりQ2進出。マシンのセッティングが決まらなかった#3 GT-Rは1分33秒333で15位となっている。
#24 GT-Rは佐々木がアタックを担当し9位となり、僅差でQ2進出を逃した。#12 GT-Rはアタックのタイミングを逸してしまい、5周目に1分32秒853のベストタイムをマークしたが11位にとどまった。
午後3時06分から開始した10分間のQ2では、#23 GT-Rをドライブするクインタレッリは、4周目に1分32秒335とQ1のベストタイムを更新し予選5位となった。
#23 MOTUL AUTECH GT-Rが3位表彰台、
#3 GT-Rは15番手スタートからの猛追で4位フィニッシュ
– 決勝
決勝日の10月24日は、曇りで気温16度、路面温度19度のコンディションの下、午後1時30分にフォーメーションラップが開始された。スタートでクインタレッリがドライブする#23 GT-Rは順位を守り5番手、千代がドライブする#3 GT-Rは12番手に浮上。レース序盤、GT500クラスの3台がペナルティによるピットインを消化し、10周目の順位は#23 GT-Rが4番手、#12 GT-Rが7番手、#3 GT-Rが10番手、#24 GT-Rが11番手となった。
10周目にクラッシュしたマシンが出て、FCY(フルコースイエロー)からセーフティカー(SC)が導入され、6周にわたるSC先導走行の後、17周目にレースが再開。18周目にトップのマシンがトラブルでストップし、GT-R勢はポジションをひとつずつ上げている。19周目、激しいポジション争いを展開していた#3 GT-Rが2台をオーバーテイクし、7番手に。20周目にはGT300クラスのマシンがクラッシュし、再びSCが導入され、25周目に再スタート。GT500クラスが全車ピットインを終えた34周目時点での順位は、#23 GT-Rが5番手、#12 GT-Rが6番手、#24 GT-Rが7番手、#3 GT-Rが12番手となり、レースは後半戦に入った。
#23 GT-Rは3台による激しい3番手争いで接近した状態が続き、45周目に前車をパスして4番手に上昇。ポジション争いは続き、53周目には3番手に上がったが、翌周には再び4番手になる激しいバトルのまま、レースは終盤戦に入った。レース後半にペースを上げて追い上げる#3 GT-Rは徐々に前に迫り、46周目に11番手、47周目に10番手、48周目に9番手、50周目に8番手とポジションを上げ、さらに前との差を詰めていく。50周目に#24 GT-Rがタイヤ交換のためピットインし後退したが、#23 GT-Rは58周目の第2ヘアピンコーナーで果敢に攻めてオーバーテイクを決め、3番手に浮上。#3 GT-Rもペースアップし、57周目、61周目、63周目に前車をパスし順位を上げて5番手となり、ファイナルラップの第1コーナーでもオーバーテイクを決め、4番手となった。
65周のレースが終了し、GT-R勢は#23 GT-Rが3位、#3 GT-Rが4位、#12 GT-Rが7位と3台が入賞。GT-R勢は鈴鹿から3戦連続で表彰台を獲得した。
– 松田 次生 選手
「今回は走り出しからマシンが良く、手応えを感じました。タイヤもとても良かったのですが、マシンにちょっとしたトラブルが出て、全力で攻められなかったところがあり、それも少し悔しいところでした。もちろん優勝したかったのですが、今回は表彰台圏内に入ることが僕たちの目標だったので、その目標が達成できた点はとても良かったです。残り2戦は、タイヤとクルマの総合力を問われるレースになるので、大変なレースになると覚悟はしていますが、今日みたいに確実にいいレースを見せていきたいです」
– ロニー・クインタレッリ 選手
「5番手スタートで、ペースは良かったです。マシンのコンディション、タイヤも含めて、パフォーマンスがありました。僕のスティントで2回セーフティカーが入り、ピットインのタイミングが難しくなってしまいました。でも、次生選手が頑張ってくれて、抜きにくいサーキットなのに攻めてポジションを上げてくれました。久しぶりにオートポリスの表彰台にのぼれて良かったです。今回は温度の上がらないなか、我々にとってはタイヤ的にもあまり得意ではない状況だったのですが、ミシュランが開発を進めてくれました。残り2戦も寒いと思いますがしっかり準備して頑張ります」
■GT300
SUPER GT第6戦には5台のNISSAN GT-R NISMO GT3が参戦。予選22位からスタートした#11 GAINER TANAX GT-R(平中 克幸 / 安田 裕信)が巧みなレース運びを見せて、レース終盤には表彰台争いをする3番手、4番手を走るライバルに接近し、僅差の5位でゴールした。