相次ぐ新サービスの市場提供によって利用者の利便性が急角度で高まっていてく一方で、タクシー業界内は労働力不足問題に抗いながらも事業社間の競争激化が進んでいるのだ。
そこで両社は時代に相応しいMaaS事業を目指すことで〝新たなビジネスの姿〟を模索していくことが最善であるという答えに至った。なお川鍋氏自身が現職前の修業時代に、コンサルティング業界に身を置いていたこともDeNAとの縁を結ぶことになった大きな要素であったと考えられる。
今後新体制となった暁(あかつき)には、これまでJapanTaxi側が築いてきた全国のタクシー事業社のカバー網(提携台数/広告・決済機能を有するJapanTaxiタブレット展開を含む)とMOV側のAI技術(商用車向け事故削減支援サービスのドライブ チャートを含む)を活かし、さらなる全国のタクシー事業社の連携投資を行っていく。
結果。同統合を契機にひとまず両社を合わせた配車可能なタクシー車両数は約10万台規模に、アプリダウンロード数1000万超のタクシー配車アプリネットワークになる見込み。この利用者向けのアプリ仕様については、投資コスト効率を高めるべく今後、時間を掛けながら統一仕様を目指していく。
対してサービス提供側としての車載ソフトウエアについては、多彩な中小タクシー事業社がステークホルダーに加わっているため、全域統合を行うかはケースバイケースになる。実際にはサービス提供側の環境整備に関しては、いわゆる〝現場合わせ〟で辻褄を探っていくことになるだろう。