配電機器メーカーの日本高圧電気とENEOSは7月10日、日本初の「EVトラック対応の商用車向け共用充電ステーション」を設置し、運用の実証実験を共同プロジェクトとして開始した。
ちなみに通常、急速充電設備を備えた充電ステーションを運営するためには、地上設置型で箱状の高圧受電設備(キュービクル)を必要数設けるのが一般的となっている。
しかし燃料給油も並行して行うタイプの既存のサービスステーションや、トラックステーションのような場所では、安全性担保の観点から地面に高圧受電設備を置くことが難しい。
またトラックの出入りをスムーズにするため、地上部には大型車両が行き交える広いスペースを確保しなければならず、従来の地上設置のキュービクル型では、設置場所自体の確保が、そもそも困難だという課題がある。
上記のような課題は、既存の燃料補給所のサービスステーションでは例外なく当てはまるものであり、ENEOSもそうした設置スペースの課題解決を模索してきた。
そうしたなかで愛知県大府市に本社を置く配電機器メーカーの日本高圧電気は、ENEOSが抱えるスペース上の課題に対し、柱上に設置する高圧受電装置を提案。これにより、地上にキュービクル型の充電器を複数設けることが不要となり、例え狭小地であってもコンパクトかつ安全に高圧受電装置を設置することが実現できる。
これを提案した日本高圧電気は、日本各地の電力会社および鉄道会社を取引先に持ち、柱上の高圧受電装置の設置では豊富なノウハウを持っている。また主力製品の高圧カットアウトは国内50%以上のシェアを占め、20年以上前より再生エネルギー分野にも大いに注力してきた。
柱上に設置する柱上高圧受電設備(遮断器)
柱上高圧受電設備を採用している様子の写真
そんな日本高圧電気の柱上設置型・高圧受電設備の特徴は以下の通り
– 既存の電柱上に高圧寿点設備を設ければ、地上に置く高圧受電設備が不要となる。
– このような新しい受電の形であれば、狭小地でも高圧受電設備を導入できる。
– 柱上高圧受電装置でEV普及が進み、クリーンエネルギーの利用拡大に寄与する。
この柱上設置型・高圧受電設備について日本高圧電気では、「柱上受電という新しい受電の形を通じて、従来の設置スペースの制約を超え、より多くの場所で高圧受電設備を導入できるようになります。
これにより、EVの普及が進み、クリーンエネルギーの利用拡大に寄与することが期
待されます。日本高圧電気は、今後もクリーンエネルギーのさらなる利用促進に貢献したいと考えています」と話している。
日本高圧電気株式会社
本社所在地:愛知県大府市柊山町8丁目288番地
電話番号:0562-45-5595
代表者名:中根正喜
上場:未上場
資本金:1億円
設立:1956年03月