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2023年8月25日【トピックス】

日本交通・葛西の新卒乗務員、運転地理検定を団体受検

坂上 賢治

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国内タクシー大手の日本交通は8月24日・25日の2日間で、葛西営業所に所属するタクシー乗務員の「運転地理検定」を実施。33名の新卒採用乗務員が受検した。2023年2月に移転リニューアルされた同営業所は、新卒採用による乗務員のみで構成される業界初の営業所となる。

 

 

7月末現在、営業所には160名の乗務員が在籍。平均年齢は24.5歳となっていることから、社員間のコミュニケーション促進を図るべく新卒乗務員の自主運営による社員向けカフェが導入されている。

 

 

また併せて乗務員としてのモチベーションとスキル向上の一環として、運転地理検定の取得を推進している。結果、既に2021年1月に当時在籍していた全乗務員の28名が、運転地理検定「都心部3級」の取得に挑戦して資格を取得した。

 

しかしその後に営業所乗務員が増員となったことから、新たに配属となった乗務員に対して第2回目の団体受検を実施。2021年度、2022年度配属者の約半数にあたる33名がこの団体受検に参加した。

 

特に同営業所では先の通り、在籍する乗務員全員が新卒採用の若い乗務員であることから、地理学習を通じて乗務員としてのスキルアップを図ることが顧客の満足度向上に繫がるだけでなく、地理知識の習得度合いを見える化することで、自身のキャリアアップに取り組めるようになるという。

 

 

実際、2019年10月に同社が実施したインターネットリサーチ(男性563名、女性137名)では、東京のタクシーサービスの水準が「悪い」「非常に悪い」と回答した21名の顧客が挙げた理由(複数回答)が、「乗務員の接客態度が悪い」52.4%、「地理に詳しくない」42.9%、「運転が乱暴」38.1%、「車内の匂いが気になる」33.3%、「車内が清潔でない」23.8% というものであった。

 

顧客がタクシーサービスを「悪い」と感じる際、多くの方が「乗務員の接客態度の悪さ」に次いで「地理に詳しくない」ことを理由として挙げており、タクシーサービスの改善に於いて地理知識の向上は重要な課題であると同営業所でも認識している。

 

なお今回の運転地理検定は、一般社団法人運転地理検定協会が実施するもので、特にプロドライバーの運転において必要な地理知識の習熟度を測るもの。

 

東京をはじめとする首都圏エリアの交差点、道路、施設などについて記述を中心に答える難易度の高い検定となる。地理知識の習熟は、効率的な運行の実現の他、事故・違反防止など安全運転にも直結するものであり、安心・安全な個別輸送機関の実現という社会的要請に大きく貢献する。

 

 

日本交通では、「運転地理検定はハイヤー乗務員において2019年10月より団体受検を実施していますが、これをタクシー乗務員にまで対象を広げることで、サービスの質の更なる向上を目指します」と結んでいる。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。