「AIR ONE」
ニデック傘下のニデックモータと個人向けeVTOL(電動垂直離着陸機) を製造するAIR VEV社(AIR 社)は同社が開発中の2人乗りeVTOL機、「AIR ONE」(エア ワン)の生産モデル開発向けモータの共同開発について合意に達した。
AIR社は、2018年にイスラエルで設立されたeVTOLの開発・製造企業で、個人のユーザーが空を飛ぶという究極の自由を身近にすることを目指している。同社が開発中のeVTOL「AIR ONE」は既に1,000台以上の予約を獲得しており、機体認証取得後、初期受注分の納入を行う予定。
このAIR社は一般の人々が毎日利用する交通手段に大変革をもたらす、個人での空の旅を可能にすることを目指す企業。
AIR社はチェン・ローゼン氏 (Chen Rosen)、ナタニエル・ゴールドバーグ氏 (Netanel Goldberg)、ラニ・プラウト氏 (Rani Plaut) の 3 人が創業し、テル・アビブ近くのパルデス ハンナに拠点を構える。
今後、AIR社および当社子会社であるニデック・エアロスペースの両社は中型eVTOL専用のモータ(一充電飛行距離100マイル)を設計・開発し、現在急成長中の次世代空モビリティ (以下 AAM:Advanced Air Mobility) 業界において、まだどの企業も参入していない分野の開拓を目指す。
ニデックモータは今後AIR社と共同で最大 100マイルの航続距離を可能にする高効率モータの開発を目指す。この事業は米国とイスラエル間の革新的なクリーン・エネルギー共同研究を推進する産業研究開発財団 BIRD(Binational Industrial Research and Development)による資金援助を受けている。
この合意についてAIR VEV社CEO共同創業者 ラニ・プラウト氏は、「モータはあらゆる乗り物の心臓部である。AIR ONEの生産を前進させるために、ニデックというモータ市場において一流企業と評判が高いメーカーと協業できるということはとても素晴らしい。
このパートナーシップは AAM業界全体にとり大きな転機となるだけでなく、当社の使命、そして個人で駆ける空の旅を可能にするという当社の夢の実現に向けた一歩となる」と述べた。
ニデック・エアロスペース社CEOビンセント・ブラレイ氏は、「ニデックのモータに関する専門知識と、当社の世界各地の製造能力を、AIR社の革新的なeVTOL機のために活用し、自由な個人での空の旅の実現を夢見る人々に、高機能モータを使用いただけるということで、我々もワクワクしている。
当社の妥協を許さない品質基準と技術力は産業界全体において数十年にわたり広く信頼されており、AIR ONEを利用される方々が安心して使うことのできる安全性の高い航空製品向けモータを製作できることを非常に嬉しく思う」と話している。