日本ガイシとリコーは9月28日、仮想発電所(VPP/※1)ビジネスと電力デジタルサービス(※2)の事業化を目指す研究開発を目的とする合弁会社設立についての基本合意書を締結したと発表した。
VPPおよび電力デジタルサービス事業化に向けての合弁会社
両社は、2022年5月より、ブロックチェーン技術を活用して「恵那電力(※3)」の再生可能エネルギー(以下、再エネ)の発電から消費、余剰発電の電力貯蔵用NAS電池への充放電までを含めた全プロセスのトラッキング(追跡)を行う実証事業(※4)に取り組んでいる。
合弁会社では、日本ガイシが保有する大容量のNAS電池や高い安全性能を実現した亜鉛二次電池「ZNB(※5)」の制御技術と、リコーが保有するデジタル技術やIoT技術を活用した再エネ流通記録プラットフォームを組み合わせた事業について検討する他、リコーのグループ会社であるリコージャパンが手掛ける電力販売サービスや太陽光発電O&Mサービス、照明・空調制御システムなどのスマートエネルギー事業(※6)のノウハウを融合することで、電力デジタルサービスの早期事業化の実現を目指す。
[合弁会社の概要](※現時点で予定されている内容)
– 名称:未定
– 所在地:名古屋、東京
– 代表者の役職・氏名:未定
– 事業内容:VPPおよび電力デジタルサービスに係る研究開発。
– 資本金:未定
– 出資比率:日本ガイシ 51%、リコー 49%
– 事業開始年月日:2023年2月1日
※1)仮想発電所(VPP) :太陽光発電など再生可能エネルギーの発電量や蓄電池への充放電、施設や家庭などの電力消費など様々なエネルギーリソースをデジタル技術で統合制御することで、あたかも一つの発電所のように機能させること。
※2)電力デジタルサービス :ブロックチェーン技術などのデジタル技術・IoT技術によって得られる電力に係るデータを活用して、付加価値をより高めた新しい電力サービスのこと。
※3 恵那電力 :恵那電力は、日本ガイシ、恵那市、中部電力ミライズにより、2021年4月に設立された地域新電力会社(2022年4月事業開始)。太陽光発電設備と電力貯蔵用NAS電池を自社保有し、固定価格買取制度(FIT制度)を利用しない自立した再生可能エネルギーの活用と経営安定性、自然災害への対応力強化などを特徴とする「恵那モデル」により、エネルギーの地産地消によるゼロカーボンシティの実現を目指している<企業サイトURL:https://enaden.jp/>。
※4)日本ガイシ・リコーの実証事業:(日本ガイシ) 日本ガイシとリコー 再エネトラッキングの実証事業を開始へ(2021年11月12日付ニュースリリース/PDF):https://www.ngk.co.jp/news/2021/20211112_2.pdf。
※5)日本ガイシの蓄電池:電力貯蔵用「NAS電池」<https://www.ngk.co.jp/product/nas.html>/亜鉛二次電池「ZNB」<https://www.ngk.co.jp/rd/> 。
※6)リコージャパンが手がける電力販売サービスや太陽光発電O&Mサービス、照明空調制御システムなどのスマートエネルギー事業:https://www.ricoh.co.jp/solutions/smart_energy