NEXCO西日本は12月27日、災害発生時に24時間以内の緊急車両の通行帯確保の実現を目的に、陸上自衛隊中部方面隊と協定( 協定締結日は平成24年3月22日 / 陸上自衛隊中部方面隊と中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社との連携に関する実施協定 )しており、今回、中部方面隊が管理するヘリコプターから伝送されるリアルタイム映像の相互確認訓練を実施した。
なお双方による協定内容は、災害発生時の相互協力について円滑な連携を図っていく事を目的に、(1)被害情報の共有。(2)NEXCO西日本から中部方面隊への高速道路施設、敷地、資機材、物資の貸出、提供。(3)中部方面隊からNEXCO西日本への救援活動に必要となる高速道路、施設の緊急復旧。(4)更に定期的な会議及び訓練の実施となっている。
協定の連絡体制
実施日は令和4年12月8日の午前9時から11時の3時間。実施場所及び飛行ルートは、リアルタイム映像受信は西日本高速道路の本社・防災対策室で。リアルタイム映像配信は、八尾駐屯地発からヘリコプター飛行で近畿自動車道から阪和自動車道に掛けて行われた。
より具体的には、中部方面隊が管理するヘリコプターから伝送されるリアルタイム映像の相互確認。特に橋梁、のり面、休憩施設等の対象スポット(チェックポイント)を予め選定し、中部方面隊が管理するヘリコプターから伝送されるリアルタイム映像を元に該当箇所の状況を正確に把握。更に有事の際の道路管理者としての情報収集ニーズ等について相互連携を深めた。
訓練の概略図
NEXCO西日本と陸上自衛隊中部方面隊では、伝送される映像の鮮明度や道路構造物の損傷状況等がどれくらいの精度で確認できるのかといったレベル感を実感した。
また現場では、地震発生時等に懸念される橋梁部やのり面の損傷がどの程度まで上空から確認できるか(ヘリカメラのズーム機能含む)等に関して把握を確認。
一方で、伝送された映像は本社内だけでなく、社内の関係支社や事務所に共有するための通信環境の整備や映像を記録として保存する必要があり、その際のシステム改善上の課題を認識出来たとしている。
加えて近年、新型コロナウイルスの影響によって少し希薄となりつつあった両者の関係性が、今回の訓練企画・実施を通して改善され、更なる相互協力体制の強化に繋がったという。
なお両者は「今回の取組みを踏まえ、より一層の協力体制の強化に繋げるべく、今後とも継続的に各種訓練による連携強化に取り組み、有事の際には速やかな復旧資機材の確保や早期の復旧等、迅速な対応を図っていく」と述べている。