中日本高速道路(NEXCO中日本)グループ会社の中日本ハイウェイ・メンテナンス北陸と東亜道路工業は、アスファルト舗装の表面に発生するポットホール(※1)を、天候に関わらず速やかに応急補修できるポットホール応急補修材、「TOKE(溶け)・パック」を開発した。
[開発の背景と目的]
ポットホールは、主に車両が繰り返し走行することで、アスファルト舗装表面の一部に発生する穴で、特に降雨時に発生、高速走行の安全確保のため、速やかな補修が求められる。
このポットホールの本格的補修までの当面の措置として、応急的補修が行われているが、補修には現在、500g程度の常温のアスファルト合材(常温合材)を不織布(※2)で梱包した小袋状のポットホール補修材や、20~25kg単位で袋詰めされた常温合材のいずれかの補修材料が主に使用されている。
しかし、不織布で梱包された小袋状のポットホール補修材で補修するためには、乳剤という接着剤を事前に散布する必要があり、雨天時には散布した乳剤が流れてしまうため、補修できないという課題が。
一方、接着剤が不要な20~25kg単位の袋詰め常温合材は、雨天時でも補修可能となるが、常温合材の敷きならしや、機械による締め固めに時間を要するという課題があった。
これら課題解決のため、中日本ハイウェイ・メンテナンス北陸と東亜道路工業は、天候に左右されず、速やかに応急補修できるポットホール応急補修材を、今回開発した。
[製品の概要]
「TOKE・パック」は、外装材に水溶性フィルム(※3)を用いて常温合材を梱包。ポットホールに散水した後、「TOKE・パック」を敷き並べ、さらに散水して足で踏み固めることにより応急補修が完了。雨天時の散水は不要となる。
また、外装材は、水に触れることにより容易に溶解し消失するため、不織布で梱包した小袋状のポットホール補修材の場合に必要な乳剤(接着剤)の散布も必要ない。
[開発の効果]
「TOKE・パック」の使用により、天候に関わらず、簡易にポットホールの補修が可能となり、特に雨天時の速やかな補修を実現。
直径約30cmのポットホールを雨天時に補修した試験施工の結果では、従来の20~25kg単位で袋詰めされた常温合材を使用した場合の補修時間約5分に対して、「TOKE・パック」を使用した場合、約1分で補修を完了することができた。
応急補修の時間短縮で、利用者への影響が減少、作業員の安全性が向上した。
※1)ポットホール:アスファルト舗装の表面に生じる長さ0.1~1m程度の穴。
※2)不織布:繊維を織らずに絡み合わせたシート状のもの(例:マスクや医療用ガーゼ等)。
※3)水溶性フィルム:合成樹脂ポリビニルアルコールを主成分とした、水により溶解するフィルム。家庭用のジェルボール洗剤などにも使用されている。
[問い合わせ先]
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