中日本高速道路(NEXCO中日本)名古屋支社は、E1 名神高速道路(名神)とE41 東海北陸自動車道(東海北陸道)が接続する一宮ジャンクション(JCT/愛知県一宮市)付近の名神・上り線(東京方面)で、渋滞時の交通の流れを改善するため、昨年11月29日に運用を開始した「ファスナー合流(※1)」による渋滞対策の効果を取りまとめた。
※1) ファスナー合流:規則正しく1台ずつ交互に(ファスナーのように)合流すること。
渋滞対策の概要
名神上り線(東京方面)の一宮JCT付近では、東海北陸道から合流する車両が加速車線のいたるところから名神に合流するため、名神や東海北陸道の交通の流れを悪化させ、これが渋滞発生の一因となっていた。
そこで、東海北陸道から名神・上り線に合流する箇所に設置するラバーポールを加速車線の先頭方向まで延伸し、規則正しく1台ずつ交互に合流する「ファスナー合流」を促し、合流時の交通の流れをスムーズにした。
・運用開始日:2019年11月29日
・ラバーポール区間の延伸:[対策前] 100m → [対策後] 360m
・合流部の短縮:[対策前] 350m → [対策後] 210m
運用開始から2カ月間の交通状況を前年同時期と比較した結果、交通量(※2)はほぼ横ばいだった(図4)にもかかわらず、名神と東海北陸を合わせた渋滞による損失時間(※3)が約3割減少した(図1)。
また、渋滞している区間の平均通過時間(※4)は、名神では約13分から約10分に約3分短縮され、東海北陸道では変化はなかった(図2)。
期間)
・対策前:2018年12月2日(日)~2019年2月1日(金)
・対策後:2019年12月1日(日)~2020年1月31日(金)
※渋滞に関する指標は、交通集中のみを対象とし、事故や工事による渋滞を除いた集計。
※2)交通量:7~19時の12時間に通過した交通量。
※3)渋滞損失時間:(渋滞時の通過時間-非渋滞時の通過時間)×通過台数。
※4)渋滞通過時間:16~20時の各IC間の平均通過時間。
今後の展開
NEXCO中日本は、今回の対策により一定の効果が確認できたとして、今後、一宮JCTにおいての「ファスナー合流」の定着によるさらなる効果に期待、引き続き交通動向を注視していくとしている。
また、同対策の効果検証を踏まえ、インターチェンジやサービスエリアなどから高速道路本線に合流する場所で、交通の流れの悪さが渋滞の発生や悪化の要因となっている他の箇所への展開についても検討するとしている。