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2020年2月27日【経済・社会】

NEXCO中日本、高速初のファスナー合流の効果検証

NEXT MOBILITY編集部

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中日本高速道路(NEXCO中日本)名古屋支社は、E1 名神高速道路(名神)とE41 東海北陸自動車道(東海北陸道)が接続する一宮ジャンクション(JCT/愛知県一宮市)付近の名神・上り線(東京方面)で、渋滞時の交通の流れを改善するため、昨年11月29日に運用を開始した「ファスナー合流(※1)」による渋滞対策の効果を取りまとめた。

 

※1) ファスナー合流:規則正しく1台ずつ交互に(ファスナーのように)合流すること。

NEXCO中日本・ロゴ

渋滞対策の概要

 

名神上り線(東京方面)の一宮JCT付近では、東海北陸道から合流する車両が加速車線のいたるところから名神に合流するため、名神や東海北陸道の交通の流れを悪化させ、これが渋滞発生の一因となっていた。

 

そこで、東海北陸道から名神・上り線に合流する箇所に設置するラバーポールを加速車線の先頭方向まで延伸し、規則正しく1台ずつ交互に合流する「ファスナー合流」を促し、合流時の交通の流れをスムーズにした。

 

・運用開始日:2019年11月29日
・ラバーポール区間の延伸:[対策前] 100m → [対策後] 360m
・合流部の短縮:[対策前] 350m → [対策後] 210m

 

 

写真1 対策前後の一宮JCTの交通状況

写真1 対策前後の一宮JCTの交通状況

対策のイメージ

対策のイメージ

 

 

運用開始から2カ月間の交通状況を前年同時期と比較した結果、交通量(※2)はほぼ横ばいだった(図4)にもかかわらず、名神と東海北陸を合わせた渋滞による損失時間(※3)が約3割減少した(図1)。

 

また、渋滞している区間の平均通過時間(※4)は、名神では約13分から約10分に約3分短縮され、東海北陸道では変化はなかった(図2)。

 

 

 

期間)

・対策前:2018年12月2日(日)~2019年2月1日(金)
・対策後:2019年12月1日(日)~2020年1月31日(金)

※渋滞に関する指標は、交通集中のみを対象とし、事故や工事による渋滞を除いた集計。

 

※2)交通量:7~19時の12時間に通過した交通量。
※3)渋滞損失時間:(渋滞時の通過時間-非渋滞時の通過時間)×通過台数。
※4)渋滞通過時間:16~20時の各IC間の平均通過時間。

 

 

今後の展開

 

NEXCO中日本は、今回の対策により一定の効果が確認できたとして、今後、一宮JCTにおいての「ファスナー合流」の定着によるさらなる効果に期待、引き続き交通動向を注視していくとしている。

 

また、同対策の効果検証を踏まえ、インターチェンジやサービスエリアなどから高速道路本線に合流する場所で、交通の流れの悪さが渋滞の発生や悪化の要因となっている他の箇所への展開についても検討するとしている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。