NEXCO中日本は3月23日、CO2排出量を削減に向け環境配慮型コンクリートの導入推進に向けた取組みを開始し、性能や品質管理に関する技術情報の募集を開始した。
近年、世界各国で2050年カーボンニュートラルを目指す動きが加速している。こうした動きを受け、日本においても、温室効果ガス削減量(2013年度比)の目標値が46%に引き上げられるなど、温室効果ガス削減に向けた更なる取組みが推進されている。
NEXCO中日本は、経営方針の一つとして『デジタル化や脱炭素化などの環境変化に適応した新たな価値創造への挑戦』を掲げ、高速道路ネットワークの新規整備、渋滞対策、設備の省エネルギー化などに取り組むことで、高速道路から排出される温室効果ガスの削減に取り組んできた。
今回は更なる取組みとして、コンクリート製造時のCO2排出量を削減することが可能なコンクリート(以下「環境配慮型コンクリート」)の導入推進に向け、企業・大学などから性能や品質管理に関する技術情報の募集をおこなう。環境配慮型コンクリートの導入推進することで、国の目標である2030年度における温室効果ガス削減量の達成に貢献していくとしている。
<環境配慮型コンクリートとは>
コンクリートの材料であるポルトランドセメント(以下「セメント」)は、製造過程でCO2が大量に排出されており、コンクリート1m3あたり約270~300kgのCO2が排出されると言われている。そのセメントの一部を、製鉄所から廃棄物として排出される高炉スラグや石炭火力発電所から排出されるフライアッシュなど別の材料(産業副産物)に置き換えた混合セメント(高炉セメントやフライアッシュセメントなど)を使用することで、CO2排出量を削減できるものがあり、JISに置き換えの割合が規定されている。最近では、このJISで規定された割合より多く、置き換えられた混合セメントを使用したコンクリートや、製造過程でコンクリートにCO2を吸着させるものも開発されている。