中日本高速道路(NEXCO中日本)グループ会社の中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋(以下、メンテ名古屋)は、東邦車輛と共同で、高速道路などでの交通規制を伴う路上作業時の作業員の安全確保を目的とした「大型移動式防護車両」を開発した。
なお、車両はNEXCO中日本が推進している「i-MOVEMENT(※1)」の一環の「工事規制の高度化・省力化」につながる技術として開発された。
交通規制を伴う高速道路の路上作業中に、通行車両が規制区域内に誤って進入して工事車両や工事規制器材に衝突する物損事故が、近年大幅に増加。作業員に衝突して作業員が死亡または負傷する事故も発生し、路上作業員の安全の確保が重要な課題となっている。
NEXCO中日本グループでは、これまでも「緊急遠隔しらすんだー」や「エアバッグ式安全チョッキ」などの製品を開発してきたが、今回、規制区域内に誤って進入してきた車両から直接防護できる作業スペースを確保する「大型移動式防護車両」を開発。
大型の移動式防護車両は既に米国でも活用されているが、日本の各種法令(道路運送車両法など)に適合しない部分もあるため、今回、国内での活用が可能な車両を新たに開発した。
開発車両は、保護ビームを伸縮させることで、作業スペースを広く確保することが可能。また、保護ビームの左右の移動により、走行車線規制、追越車線規制のどちらでも利用できる。
さらに、車体後部に衝撃緩衝装置を装備。後方に防護車両を配置することで、後方から追突された場合でも作業スペースの防護が可能。
現在、メンテ名古屋が実施している交通規制を伴う路上作業(ポットホール補修(※2)や事故復旧工事など)の約4割に活用できるため、作業員の更なる安全性向上や工事規制作業の省力化が期待できると云う。
今後、NEXCO中日本は、メンテ名古屋が実施する交通規制を伴う維持修繕業務の中で、本製品を試行的に活用し、実用化を目指す。
また、開発車両は、10月に東京で開催される「ハイウェイ・テクノフェア2019」に出展される予定だ。
[車両諸元]
・車長:走行時15.9m、作業時23.4m
・作業スペース:約10m×約2m
[ハイウェイ・テクノフェア2019の概要]
高速道路の建設・管理技術の普及や活用を促進するとともに、高速道路事業について広くお客さまや社会の理解を得ることを目的に開催されるイベント。
-日時:2019年10月8日(火)、9日(水) 各日10:00~17:00 (ただし、本車両の展示は8日のみ)
-場所:東京国際展示場(東京ビッグサイト)青海展示棟 A・Bホール (本車両の展示はBホール)
-主催:公益財団法人高速道路調査会
-共催:東日本高速道路(株)、中日本高速道路(株)、西日本高速道路(株)
-HP:http://htf.express-highway.or.jp/htf2019/info/
※1)i-MOVEMENT:innovative -Maintenance & Operation for Vital-Expressway Management with Efficient “Next generation” Technology (次世代技術を活用した革新的な高速道路保全マネジメント)。最先端のICT技術・ロボティクスの導入により、人口減少などの環境の激変に対応しつつ、高速道路モビリティの進化を目指すNEXCO中日本の活動。
※2)ポットホール:アスファルト舗装の表面に生じる長さ0.1~1m程度の穴。
[問い合わせ先]
NEXCO中日本お客さまセンター (24時間365日対応)
電話:(フリーダイヤル)0120-922-229
電話:(フリーダイヤルが利用できない場合/通話料有料)052-223-0333
■中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋:https://www.c-nexco-hmn.jp/