中日本高速道路(NEXCO中日本)八王子支社は8月1日、E20 中央自動車道(中央道)上り線の大月インターチェンジ(IC)~八王子ジャンクション(JCT)で実施している人工知能(AI/※1)を用いた交通渋滞予測について、所要時間の予測精度(※2)を87%(※3)から93%(※4)へ向上(※5)させることに成功したと発表した。
なお、今回の予測精度の向上は、予測モデルの教師データに最新データを追加すると共に、大月ICから八王子JCTの間で発生する小仏トンネル以外の渋滞も考慮するなどの改良を行うことで実現。同社では引き続き、精度向上に努めていくと共に、今後、この予測に関するモニターを募集するとしている。
所要時間の予測(1~4時間後までの結果)は、毎正時にWEBサイト「中央道 渋滞減らし隊 」や、芝浦工業大学が開発したアプリ「スイスイ旅山梨版 」で提供されている。
<AIによる所要時間の予測とは>
ソーシャル・デザイナーズ・ベース と中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京 が開発したAIを用いて、NEXCO中日本が保有する高速道路ビッグデータ(過去の交通量、速度、渋滞や降雨量など)と、当日の交通量や降水量との関係性から、中央道上り線(東京方面)大月ICから八王子JCTの所要時間を予測したもの。
この予測では、事故などの交通障害を反映できないため、事故が発生した場合は渋滞予測の更新を中止し、事故状況を案内する。また、交通状況等によっては精度向上結果以上の誤差が発生する可能性もあるとのことだ。
※1:元東京大学特任准教授の日下部貴彦氏(現 ソーシャル・デザイナーズ・ベース)と中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京が開発したAIを使用(特許第7065246号:旅行時間推定方法)。
※2:予測精度とは、渋滞が発生している時間を対象として、5分毎の1~4時間先までの所要時間予測結果について、実際の所要時間との差をそれぞれ算定し、経過時間ごとに集計した結果。
※3:2022年10月1日~2023年3月31日までに発生した渋滞(事故による渋滞が発生した日は除く)に対する検証環境下でのモデルの予測結果。
※4:モデル改良更新後、※3の期間で再度予測した結果。
※5:改良前の誤差が概ね0~17分程度で、誤差10分以内となる予測精度は87%であったが、改良後は0~12分程度に抑え、誤差10分以内となる予測精度は93%に向上。