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2021年2月2日【政治経済】

【新型コロナ】10都府県で緊急事態宣言3月7日迄延長

NEXT MOBILITY編集部

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菅内閣総理大臣は、2月2日に記者会見を行い、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が発出されている11都府県について、2月7日に予定していた解除日を、栃木県を除く10都府県で、3月7日まで1か月間延長すると発表した。期間が延長される区域は、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県および福岡県。

 

なお、実施すべき区域から除外される地域の対策緩和については、段階的に行われる。

首相官邸・ロゴ

菅総理は会見で、緊急事態宣言の延長の理由について、全国の新規感染者数は1月中旬以降減少傾向となり、入院者数も減少がみられるが、重症者数、死亡者数は引き続き高い水準にあることから、引き続き、新規感染者数を減少させ、入院者数、重症者数を減少させる必要があると語り、これまでの感染拡大期の経験や、国内外の様々な研究などの知見(感染経路の分析など)を踏まえ、より効果的・集中的な感染防止策を講じると述べた。

 

なお、1月7日に発出された緊急事態宣言では、社会経済活動を幅広く止めるのではなく、感染リスクの高い場面に絞り効果的・重点的な対策を徹底。主に飲食につながる人の流れを制限するため、飲食店に対する営業時間短縮要請や外出自粛の要請、テレワークの徹底などの対策が講じられているが、期間延長に伴い、今回新たに「対象区域から除外される都道府県の取組」や「医療提供体制・検査体制の拡充等」などの内容が盛り込まれた。

 

菅総理は他にも、生活資金支援策として、現在限度額140万円の緊急小口資金を200万円にまで拡大し、所得が減少した場合には返済を免除、また家賃支払いが困難な人のための住居確保給付金を再度支給し、更に3か月分を支援するなど、追加の支援策についても言及。

 

ワクチン接種については、有効性、安全性を確認した上で、国が費用を負担して、2月中旬に医療関係者から始め、高齢者については4月から進めると述べた。

 

 

 

 

[緊急事態宣言の主な内容] (2月2日時点)

 

(1)外出・移動

 

・飲食による感染リスクが高い場面を回避する各種の対策の実効性を高めるため、日中も含めた不要不急の外出や移動について、自粛を要請。

・但し上記に関しては、出勤や通院、散歩など、生活や健康の維持に必要な外出・移動は除く。

 

(2)イベントなどの開催

 

・不特定多数が集まるようなイベントでは、人との接触機会や飲食につながる場合が多いことなどから、開催者に人数の上限や、収容率、飲食の制限等、規模などの要件に沿った開催を要請。

 

(3)施設の使用

 

・飲食はマスクを外したりして感染リスクも高く、感染拡大の主な起点になりうるとの専門家の見解から、飲食店やカラオケボックスなどへ、営業時間の短縮(営業は20時まで、酒類の提供は11時から19時まで)及び、業種別ガイドラインの遵守を要請。
・政府は、対象都府県が時短要請を行う場合に支払う「協力金」について支援する(月30日換算180万円)。
・また、遊技場や大規模な店舗などに対しても、飲食店と同様の働きかけ(営業は20時まで、酒類の提供は11時から19時まで)及び業種別ガイドラインの遵守を要請する。また、遊技場や劇場、映画館などに対しても、人数の上限や収容率の要件を守るように働きかけを行う。​

 

(4)テレワーク

 

・職場への出勤自体は、自粛要請の対象ではないが、対策の実効性を高めるための環境づくりとして、人と人の接触機会を減らすため、「出勤者数の7割削減」を目指し、テレワークやローテーション勤務、時差通勤などを、政府や対象都府県として、事業者により一層徹底するよう働きかける。
・また、20時以降の外出自粛のため、事業継続に必要な場合を除き、20時以降の勤務抑制を働きかける。

 

(5)対象区域から除外される都道府県の取組

 

・飲食店への営業時間短縮要請は継続(営業時間、対象地域等は知事が判断)。
・テレワークの目標は当面7割削減、その後段階的に緩和。
・外出自粛要請は当面継続、その後段階的に緩和。
・イベントの開催制限は段階的に緩和。

 

(6)学校等

 

・一律の臨時休業(いわゆる一斉休校)の要請は行わない。保育所や放課後児童クラブなどについても、開所を要請。
・受験シーズンということからも、政府と対象都府県は、各学校と協力し、感染防止対策、面接授業・遠隔授業の効果的実施など、学修機会の確保に努める。
・入試などは、実施者において、感染防止策や追検査等による受験機会の確保に万全を期した上で、予定通り実施。
・但し、大学などでの部活動や、学生寮での感染防止対策、懇親会や飲み会の開催などについては、学生への注意喚起を徹底するよう働きかける。
・特に、対象都府県では、部活動における感染リスクの高い活動の制限を要請。

 

(7)医療提供体制・検査体制の拡充等

 

・高齢者施設でクラスターが多発しているため、高齢者施設の従事者等への検査について、集中的実施計画を策定して3月までを目途に実施、その後も感染状況に応じ定期的に検査を実施する。また、高齢者施設等で感染者が出た場合、感染制御、業務継続支援チームの派遣等支援を行う仕組み構築に努める。
・医療機能に応じた役割分担を明確化した上で病床の確保を進める。また、地域の実情に応じた転院支援の仕組みを検討する。
・ 家庭内感染防止等のため自宅療養等におけるパルスオキシメーターの貸与など、健康フォローアップの強化を進める。

 

 

 

 

[菅総理発言の冒頭] (全文ママ)

 

先ほど新型コロナ対策本部を開催し、緊急事態宣言について、栃木県は2月7日で解除することとし、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県及び福岡県については3月7日まで、1か月延長することを決定いたしました。

 これまでの間の国民の皆さんの御協力に感謝申し上げますとともに、全ての地域で緊急事態宣言を終えることができず、誠に申し訳なく思っております。
 また先般、内閣の一員である副大臣や、我が党に所属した議員が深夜まで会食していた問題は、あってはならないことであります。素直におわびを申し上げる次第でございます。

 

ここで、全国と東京の新規感染者数の推移をグラフに示しましたので、お示ししたいと思います。
 全国の新規感染者数については、宣言を行った1月7日は7,721人、その後減少に転じ、昨日の2月1日は1,783人でした。東京では、1月7日は2,447人、その後大幅に減少し、昨日の2月1日は393人、さらに本日は556人となっております。このように、これまでの対策により、そして国民の皆さんの御協力により、はっきりとした効果が見られ始めています。ここで、国民の皆さんにはもう一踏ん張りしていただいて、何としても感染の減少傾向を確かなものにしなければならない、そのように判断いたしました。
 これからの期間も、飲食店の時間短縮を中心に、めりはりをつけた、これまでの対策を続けます。これを徹底していくことにより、これまでの減少傾向を継続させ、入院者、重症者も減少させる必要があります。何としても、安心できる暮らしを取り戻したいと思います。3月に入ると卒業式や春休みもあります。対策を徹底し、状況が改善された都府県については、3月7日の期限を待たず、順次、宣言を解除してまいります。自治体と協力し、医療体制の確保も全力で行います。引き続き制約の多い生活で御苦労をおかけいたしますが、今一度皆様の御協力をお願いいたします。

 

今回延長する10都府県については、感染者数が十分に減少していると言えない地域もあります。また、多くの地域で医療体制も引き続きひっ迫しています。今後、これまでの対策を徹底して続けていただき、感染の減少を確実なものとしていきます。
 新規感染者数、病床利用率などについて、当面のめどであるステージ3へと改善していきます。新規感染者数で言えば、東京で1日500人、大阪で1日300人を下回ること。さらに、病床のひっ迫に改善が見られることが重要であります。
 20時までの飲食店の時間短縮、不要不急の外出自粛、テレワークの更なる拡大や、イベントの人数制限、こうした対策の徹底をお願いいたします。飲食店については以前から席と席の適切な間隔などについてガイドラインを設けてきており、引き続きその遵守をお願いいたします。
 緊急事態宣言が続く地域では、改めて対策の徹底をお願いいたしますが、対策の効果が更に明らかなものとなり、現状が改善された都府県については、3月7日の期限を待たずに、順次、宣言を解除してまいります。

 

国会では、特措法、感染症法の改正案を御審議いただいております。対策がより実効的なものになるよう、与野党の皆さんの御尽力によって、支援と行政罰をセットで規定することができるようにいたしました。速やかな御審議を引き続きお願いしたいと思います。

 重症者を始め、必要な方が適切な医療をきちんと受けることができるよう、医療体制の確保にも全力を挙げてまいります。現場の方々が財政面で躊躇(ちゅうちょ)することのないよう、また、新型コロナ患者を受け入れる医療機関が損失を被ることのないよう、しっかりと支援してまいります。この1か月で東京では、国と自治体が協力し、3,000床だった新型コロナ病床を約5,000床まで増やすことができました。新規感染者が減少しても、しばらくは入院を必要とする患者の方々は減りません。引き続き手を緩めずに取り組んでまいります。

 

ワクチンについては、先日、3社から3億1,400万回分の供給を受ける契約の締結に至ったところであります。接種の開始について、できる限り2月の下旬と申し上げてきましたが、一日も早くという思いで努力をしてまいりました。今後、有効性、安全性を確認した上で、2月中旬に接種をスタートしたいと思います。医療関係者から始め、高齢者については4月から接種を進めます。政府を挙げて準備を進めます。自治体に対しては、できる限りの情報の提供を速やかに進め、必要な費用の全てを国が負担いたします。全ての皆様に安心して接種していただけるよう、ワクチンの効果や副反応なども分かりやすく情報発信を行ってまいります。
 変異株については、迅速な検証を可能とする体制を強化し、強い危機感を持って警戒を続けてまいります。対策は従来のウイルスと同じです。マスク、手洗い、3密の回避、こうした基本的な感染対策をこれまで以上にお願いいたします。

 

新型コロナの影響が長引く中で、政府を挙げてこれまでにない支援を行ってきましたが、いまだそうした支援の手が届いていないという声があります。手元の生活資金にお困りの方には、緊急小口資金などでお応えします。現在、140万円の限度額を200万円まで拡大します。所得が減っている方々には、返済を免除いたします。収入が減少して家賃にお困りの方には、住居確保給付金を用意しておりますが、この給付金の再度の支給により、更に3か月分の家賃を支援いたします。大企業の非正規の方々について、休業手当の支払いが行われない、雇用調整助成金が活用されない、こうした問題についても検討を進めており、早急にしっかりと対応いたします。与党の御意見も踏まえながら、こうした重層的なセーフティーネットにより、事業を守り、雇用と暮らしを守り、困難を抱えた方々を支えていきます。

 

これまでの対策により、新規感染者は減少し、効果は確実に現れています。これは国民の皆様のお一人お一人の御協力のたまものでもあります。今後1か月の延長に当たっても、これまでの対策を更に徹底し、影響を受ける方々にはしっかり支援してまいります。
多くの無症状や軽症の若者から、外出や飲食により感染が広がり、現在、世代を超えて高齢者の方々にも広がっています。若者でも重症化する事例もあります。また、因果関係は明らかになっていないものの、いわゆる後遺症とされる報告もあります。是非御自身のこととして捉えていただきたいと思います。
 飲食は、家族やいつも一緒にいる方々と少人数で静かに取る。不要不急の外出を控える。マスクなしでの会話は控える。お一人お一人が行動を変えていただくことで、感染を更に大幅に縮小させることができます。

 

新型コロナウイルスの発生から1年以上たちました。我が国でも、世界でも、なおウイルスとの闘いは続いています。私も、日々悩み考えながら走っております。
国民の皆さんの不安を少しでも解消するために、あらゆる方策を尽くし、私の全ての力を注いで取り組んでまいります。
 今一度の御協力を国民の皆さんにお願いを申し上げます。
私からは以上です。

 

 

■(首相官邸)新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見(2月2日/動画有):https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0202kaiken.html

■(首相官邸)新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html

■(内閣官房新型インフルエンザ等対策室)新型インフルエンザ等対策:http://www.cas.go.jp/jp/influenza/index.html

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。