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2024年6月25日【MaaS】

ニアミーと日の丸交通、シェア乗りタクシーの乗車区域を拡大

坂上 賢治

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NearMe( ニアミー )と日の丸交通は6月25日、昨年12月から展開しているタクシーの〝シェア乗りサービス〟の対応エリアを拡大。夜間から早朝に限定していたサービスの時間制限を撤廃した新たな「シェア乗りタクシー」として刷新。同日より予約・運行を開始した。

 

この「シェア乗りタクシー」とは、予てより乗車エリアを6区(新宿区・千代田区・渋谷区・港区・中央区・江東区)としていた〝シェア乗りサービス〟から、サービスの提供区域を23区全域に拡大。降車可能エリアについてはこれまでの「ナイトシャトル」と同様、東京駅を中心とした半径約20km以内に設定しているもの。

 

また当初は夜間早朝時間帯のみとしていた運行時間を24時間対応とすることで、朝の通勤や、日々の買い物、通院なども含め、生活の様々なシーンに於いて、タクシーのシェア乗りサービスを提供する。

 

 

より具体的には、1つの車両を複数組でシェアするライドプーリング( 1台のタクシー車両に複数組で相乗りすること。1台のタクシーに1組だけを乗せるライドヘイリングの対義語 )によって、夜間早朝に限らず全ての時間帯に於いて既存のアセットを活用しながら輸送量を高めていくことを目指す。

 

なお゛シェア乗りタクシー」の料金は、通常のタクシー料金の最大50%の金額で移動できる。加えてシェア乗りが成立しなかったことを理由に、運行自体がキャンセルになることはないとしている。

 

また一方で「シェア乗りタクシー」は、運行事業者側もメリットがあり、1台のタクシーに複数人が乗車することにより、1回あたりの運行距離が長くなることで生産性向上の寄与する。加えて事前予約制とすることで運行計画を立て易くなり、タクシードライバーにとっても都市部と移動先の往復が少なくなることで肉体的負担の軽減に繫がる。

 

「シェア乗りタクシー」の運行概要は以下の通り

 

予約/運行開始日:2024年6月25日(火)から
運行エリア
出発地:東京23区全域
降車地:東京駅を中心にした半径約20km以内 
サービスサイトhttps://app.nearme.jp/town-shuttle/tokyo/

 

予約方法
(1). ニアミーのアプリ、またはサービスサイト
https://app.nearme.jp/town-shuttle/tokyo/ )より
希望乗車人数や希望出発時間などの必要情報を入力すると、
登録したメールアドレスに予約情報の確認メールや通知が届き仮予約完了。

 

(2). 仮予約が成立した場合、事前に到着予定時刻・乗車場所などの詳細をメールで案内。
※予約には、ニアミーのユーザー登録が必要。
※タクシー配車の状況によりメールでの案内が遅くなることがある
※仮予約が不成立の場合もその旨を伝える内容をメールで通知する。

 

(3). 乗車時間になったら指定の場所より乗車できる。
(乗車の際には予約サイトの登録名(ニックネーム)を乗務員に伝える)
※利用者の乗車希望時間の1時間前まで乗車予約が可能。

 

料金
料金はアプリ上で乗車地から降車地までの走行予定ルートの距離に応じて乗車前に確定される。シェア乗りの人数により変動(通常のタクシー料金より最安で50%の料金)
※2024年6月25日(火)時点。内容が変更となる可能性がある。詳細はサービスサイトを確認されたい。

 

今取り組みについて日の丸交通の富田和孝 代表取締役社長は、「ニアミーのシェア乗りタクシーサービスは、タクシー業界に革新的な変化をもたらす可能性があり、24時間体制のサービスが開始されることを大変嬉しく思います。

 

2024年4月末より日本型ライドシェアが解禁されましたが、1台の車両で複数の利用者が同乗するシェア乗りタクシーを促進することで、プロドライバーが運転するという安全・安心をお客様にお届けすると共に、タクシー不足の解消に繋がる1つと考えています。

 

シェア乗りタクシー”は割安な料金で手軽にタクシーに乗車することができます。乗車エリアが東京23区全域と大幅に広がったことで、朝の通勤時間帯や夜間など空車の運行車両が少なくなる時間帯でもシェア乗りタクシーを通じ、お客様の満足度向上に貢献する取り組みをニアミーと共に進めていきます」と述べた。

 

またこのコメントを受けてNearMeの髙原幸一郎 代表取締役社長は、「日の丸交通とのシェア乗りサービスに於いて、取り組みの範囲を拡大させて頂くことになり、大変嬉しく思います。

 

ライドシェアに関する様々な議論が交わされいる現在、日本の移動課題解決のために求められるのは輸送量を増やすということだと考えています。

 

ニアミーでは、輸送量を増やすためのアプローチとして、タクシー車両そのものを増やす方策は、呼んだら来るタクシー(輸送車両)の絶対数を増やすライドヘイリングだけではないと考えています。

 

1つの車両を複数組でシェア乗りするライドプーリングによって、既存の資産を有効活用するというアプローチによって課題解決に貢献していきたいと考えています。

 

日の丸交通と共に、移動の課題解決のための手段としてタクシーのシェア乗りがあることをより多くの皆様に知って頂くだけでなく、 タクシーのシェア乗りが皆様にとって当たり前の選択肢となることを目指していきます」と話している。

 

会社概要
会社名 :日の丸交通株式会社
所在地 東京都文京区後楽1-1-8
代表者 :代表取締役 富田和孝
創業 1950年6月13日
URL :https://job.mynavi.jp/

 

会社名 :株式会社NearMe
所在地 :東京都中央区日本橋富沢町9-4 THE E.A.S.T.日本橋富沢町
代表者 :代表取締役 髙原幸一郎
設立  :2017年7月18日
URL :https://nearme.jp/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。