そもそも日本国内に於ける高精度地図の実現には、自動車メーカーを筆頭に電機メーカーと地図測量会社等が共同出資で設立した「ダイナミックマップ基盤」が協調して取り組んできた。
そうした流れと並行して日産自動車・モービルアイ・ゼンリンの3社は、日本全国の高速道路を対象に自動運転用の高精度地図の知恵を持ち寄り、独自作製するとしていたものが2018年度中に完成。今回、公の場として初めて日の目を見た。
今回の機能実現は、リアルタイムに情報を追加・更新できるこの地図データが重要な役割を担っている。要は道路や建物などの時間的な変化が少ない「静的情報」に、時間の移行と共に変化する「動的情報」を紐付け、車載カメラで撮影した映像を基に地図データを生成していく。
この「静的情報」と「動的情報」の組み合わせゆえに、夜間に於ける機能低下も殆ど無視できるレベルに収まっているという。
なお具体的な走行実証では、全国津々浦々の高速道路を実際に走って検証した。それでも走行環境下で考えられる併走・追従する車両間のシーン想定は無限に広がるため、日産がテクニカルセンター内に備えている6本の巨大なアクチュエーターで車両の動きを制御していく6軸モーションベースのドライビングシミュレーターをフル活用した。
プロパイロット2.0の実搭載は、今秋日本で発売するスカイラインを皮切りに、グローバル市場で順次投入されていく予定だ。第1世代のプロパイロットは、グローバルの7モデルに採用され、累計35万台を超えている。
第2世代のプロパイロット2.0は先進技術の「ニッサン インテリジェント モビリティ」のもと、今後2022年度までに投入を計画するグローバル20車種の主力車種に採用し、商品価値向上に活かすことになる。
中畔副社長は今後の日産の先進領域技術について「電動化、運転支援技術、コネクテッドそれぞれ進化させていく」とし、プロパイロット2.0は「3D、AI(人工知能)を搭載しており、運転支援技術として世界最高レベル」と評価した。