つまり運転補助としては一部、ハンドオフが可能になったという状態からレベル2から少し頭1つ分抜き出た段階、レベル2からレベル3の間に位置する状態といえるだろう。
但しここからレベル3に近づけるには壁が厚く、現段階で日産の技術者達の考えとしては、当面レベル2を超えた現段階で技術を磨き続ける期間が少なくとも「当面続く」という認識を持っているようだ。
それでもこここまで安定したシステムの実現は世界初だとしており、その背景には3D高精度地図データ、360度の周囲センシング機能の採用が核となっている。なお同構成は、車両の周囲360度をセンシングする7個のカメラ、5個のミリ波レーダー、12個の超音波ソナーの組み合わせとなっている。
このうちレーダーとソナーは新開発。7個のカメラのなかで4個はアラウンドビューモニター用として車両の直近周囲を監視。
今回最も重視した前方監視は画角(広角範囲)並びに焦点距離が異なる3個のレンズを並べて格納した日産が「トライカム(Tri-cam/2015年にTRWを買収したZFとMobileyeとが共同開発したADASカメラユニット)」と呼ぶカメラ連装パッケージが担っている。
画像処理自体は単眼カメラ向けチップの「EyeQ3」以来、日産としても使い慣れているモービルアイ(Mobileye)提供の3眼対応の最新チップ「EyeQ4」が担う。
同コアは、新世代のベクトルマイクロコードプロセッサ(VMP)、マルチスレッド処理クラスタ(MPC)コア、プログラマブルマクロアレイ(PMA)コアの組み合わせで最大3台のカメラを同時に管理できる。なお余談であるが「EyeQ4」自体を世界で初採用したのは2017年12月、中国EVベンチャーの蔚来汽車(NIO)の「ES8」への搭載となっている。
このように主に前方・進行方向に向けての運転補助として機能しており、後方側についてもセンシング機能こそあるが、運転機能を制御させるような連動はしていない。また総じて運転者の意志を尊重した制御マナーに終始する。