16日付で発足した新役員体制は、新たにCOO(最高執行責任者)に山内康裕氏が就任し、副社長に星野朝子氏、川口均氏、中畔氏の3人が昇格した。これら西川廣人社長を含めた新役員体制で、ゴーン体制下で毀損していた日産の体質基盤の再構築を目指す。
そのための基盤となるのがグローバルネットワークと並ぶ技術の蓄積である。西川社長は先の決算発表会見で「2~3年で元の日産に戻す。このため、先進技術分野には積極的に投資する」と表明していた。
世界に先駆け、高速道路でのハンズオフ可能な自動運転機能をアピール
その開発部門トップの副社長に就いたのが中畔氏。中畔副社長は会見で他社と差別化できる先進技術としてEV(電気自動車)やeパワーなどの電動技術と今回のプロパイロットを含めた運転支援システム、コネクティビティなどの知能化技術を掲げた。
今回発表したプロパイロット2.0は高速道路の複数車線をナビゲーションシステムと連動して設定したルートを走行し、ドライバーが常に前方に注意している状況下で「ハンドオフ(手放し)が可能」な運転支援システムである。
但しプロパイロット 2.0はカーナビゲーションシステムで目的地が設定されている時のみ動作する。加えてドライバーは、システム作動中、常に前方を監視している必要がある。
仮にドライバーが目を閉じる動作を続けたり、前方を注視していない場合は、その動きを検知しステアリングを握るよう促す。さらに警告音などが段階的にレベルアップした後もドライバーが反応しない場合は同一車線内で緊急停止する仕組みだ。