日本電気(NEC)、凸版印刷、マクニカ、コトバデザインは2月22日、ローカル5GやMR(複合現実)を活用した新たな観光体験の実現に向け、実証実験を2月26日から3月1日まで、奈良県の平城宮跡歴史公園にて実施すると発表した。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を図りながら集客力向上を目指す「新たな日常」における観光として、現在屋外の観光資源とICTの融合による新たな観光体験への期待が高まっている。
こうした状況を受け、同実証ではローカル5Gを活用し、MRによる新たな歴史文化体験とAI自然会話(以下、AIコンダクター)による新たな園内移動体験を提供するとしている。
なお、今回の実証は総務省から受託した令和2年度「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」のうち「観光・文化分野におけるローカル5G等の技術的条件等に関する調査検討(MR技術を活用した新たな観光体験の実現)」として実施される。
【実証における各団体の役割】
NEC :全体管理、ローカル5G技術提供
凸版印刷 :MR技術、映像配信制御システム開発、コンテンツ制作
マクニカ :8人乗り低速EVカートと自動運転システム提供
コトバデザイン:AIコンダクター開発
【実証実験の概要】
1.新たな歴史文化体験(ローカル5GとMR技術を活用した新感覚エンターテインメント)
平城宮跡歴史公園内の屋外の「復原遣唐使船」を舞台に、ダンサーのパフォーマンスにMRグラスに表示させたCG演出効果を重ね合わせることで舞台風歴史体験を実現させる。複数の参加者のMRグラスからの情報収集や映像コンテンツの配信に低遅延のローカル5Gを活用することで、参加者の位置や移動に合わせた映像表示や、手の動きなどのジェスチャーに合わせた演出映像の参加者全員の共有などを楽しめる。これにより、通常の史跡見学では味わうことのできない、歴史空間に仲間と一緒に入り込む新たな歴史観光体験が実現する。
【ジェスチャーによる共有体験】
【参加者の位置や移動に合わせた映像変化】
2.新たな移動体験(ローカル5GとAIコンダクターを活用した安全・安心なおもてなし体験)
平城宮跡歴史公園の交通ターミナルを約5分間で周回する自動運転低速EVカート車内にAIコンダクターを搭載。手を車両から外に出したり、マスクを外して乗車した場合、車内映像をもとにAIコンダクターが注意アナウンスを行う。また、参加者と対話し、参加者の関心に合った解説や案内も行う。車内の映像や音声をローカル5Gで低遅延で伝送するため、自然なアナウンスや対話が可能だ。これにより、安全・安心かつ新たな関心を呼び起こす移動体験が実現する。
【8人乗り自動運転低速EVカート】