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2019年11月8日【テクノロジー】

モービルアイと中国NIO、レベル4自動運転車の開発で協業

NEXT MOBILITY編集部

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インテル子会社で高度運転支援システム(ADAS)等を開発するオランダの「モービルアイ(Mobileye)」と、プレミアム電気自動車(EV)を開発する「中国の上海蔚来汽車(NIO)」は、中国ならびにその他主な市場を対象に、高度に自動化された個人向け自律走行車(AV)の開発で戦略的に協業する。

協業の一環として、NIOは、モービルアイの「レベル4(L4) AVキット」を基に設計された自動運転システムのエンジニアリングと製造を行う。

 

この自動運転システムは、個人向け自動運転車両を対象に、自動車に求められる標準や品質、コスト、量産化に対応。NIOは、モービルアイ向けにこのシステムを量産するほか、この技術を自社の個人向けEVのラインナップ、ならびにモービルアイが実現を目指す運転手のいないライドへーリング・サービス(送迎配車サービス)に組み込む。

 

NIOの派生モデルは、中国で先ず展開、その後、中国以外の市場にも拡大する。

 

 

 

 

協業に際し、インテルの上席副社長で、モービルアイ社長兼CEOのアムノン・シャシュア氏は、以下のように話している。

 

「私たちは、個人向けならびにロボタクシー車両向けに自動運転のEVを開発するNIOとの協業および今後の可能性に多大な期待を寄せています。
 私たちは、この協業を通じて中国やその他の市場において、道路上のさらなる安全をもたらすことができることに大きな価値を感じています。
 また、今後モービルアイが世界中で変革的なモビリティサービスを構築していく際にNIOと協力できることを楽しみにしています」。

 

 

 

 

今回の戦略的な協業のもと、モービルアイは、Mobileye EyeQシステム・オン・チップ(SoC)、ハードウェア、ドライビング・ポリシー、セーフティ・ソフトウェア、マッピング・ソリューションで構成されるL4 AVキットの「Mobileye AV Series」に基づく自動運転システムの設計をNIOに提供。

 

NIOは、個人向け自動車市場とモービルアイが展開するMaaS向けの両方を対象に、モービルアイのシステムを設計、統合し、量産する。

 

さらにNIOは、この自動運転システムを自社の車両に組み込むだけでなく、モービルアイが世界市場で展開するカーヘイリング・サービス用のロボタクシーとなる特別な電気自動運転車を派生モデルとして開発する。

 

 

NIOの創業者で会長兼CEOのWilliam Li(ウィリアム・リー)氏は、以下のように話している。

 

「NIOは、次世代の自動車会社、そして、ユーザー・エンタープライズを目指しています。

 私たちにとって、EVは出発点であり、コミュニティーをつなぎ、つながりを強くする基盤であると考えています。
 モービルアイとともに、私たちの自動車の安全性と性能を高めていくことは、プレミアムでスマートなEVを提供し、喜びに満ちたライフスタイルをデザインするという、私たちのビジョンに沿っています」。

 

 

[Mobileye AV Seriesについて]

 

モービルアイのドライバーレス・テクノロジー・ソリューション「L4 AVキット」は、車両組み込み可能で、自動車事故を効果的に減らす自律機能を備えている。

 

<ハードウェア>

 

L4 AVキットのMobileye AV Seriesでは、カメラ、レーダー、LiDAR、ケーブル、モデム、GPS、その他メカニカル・コンポーネントなど、完全な自律車両に求められるハードウェアを提供。

 

これらすべてのコンポーネントは、ディープラーニングとパフォーマンス効率を備え、低コストと低消費電力を実現した自律走行のために特別に設計された第5世代EyeQ SoCによって制御される。

 

<ドライビング・ポリシー>

 

モービルアイ独自の強化学習アルゴリズムと、センシングやコンピューティング・プラットフォームにより、人間が行うような運転を実現。AVキット実装車は、モービルアイのドライビング・ポリシー・テクノロジーにより、道路上の複雑な状況においても人間が運転する車と上手く対処することができると云う。

 

<セーフティ・ソフトウェア>

 

モービルアイのドライビング・ポリシーは、自律走行車の意思決定を安全に行うことを支援するResponsibility-Sensitive Safety(RSS)により補完される。

 

RSSは、オープンかつ透明性のある公式モデルで、AVが意思決定を行えるようにするセーフティパラメーターを提供し、常識的で人間中心な安全運転のコンセプトを形式化。ドライビング・ポリシーにより車両を移動させ、RSSにより移動中の車両を安全に保つことをサポートする。

 

 

■Mobileye(英語):https://www.mobileye.com/
■NIO(英語):https://www.nio.com/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。