ありそうでなかった発想。充電インフラ不足の解消の決め手に
ファッション&カルチャー誌を出版・発行するカエルム(本社:東京都渋谷宇田川町、代表:戸川貴詞)は12月8日、檜原村の会員制コワーキングスペース「Village Hinohara(ヴィレッヂヒノハラ)」にEV用200V普通充電を搭載したキャンピングトレーラー「モバイルSS・ヒノハラ」を設置した。
このモバイルSSとは、次世代のガソリンスタンド(SS)像を標榜してサスティナブル・ステーションと命名した新SS。カエルムによると、モバイルSS・ヒノハラではエネルギーインフラがない場所でエネルギー提供できるだけでなく、従来のガソリンスタンドと同じく地域情報のハブにもなる新たな移動式充電ステーションだとしている。
今回、檜原村に設置したモバイルSS・ヒノハラは、移動オフィス空間を手掛けるトレイルヘッズ(TRAIL HEADS)が移動型オフィスとして提供中のキャンピングトレーラーに、太陽光充電パネルと大容量リチウムイオンバッテリーを搭載。EV専用の200Vの普通充電器を併せ持たせた移動式のEV充電施設となっている。
檜原村の豊かな自然の中で、再生可能エネルギー200Vの充電ポイントが使え、充電中は施設(キャンピングトレーラー型移動型オフィス)内をワーケーション用途に使うことができる。
またこれに併せて期間限定で、道幅が狭い檜原村にマッチする小型EVを使った実証実験も行う。なお当該事業は、東京都「多摩イノベーションエコシステム促進事業(TAMA INNOVATION ECOSYSTEM)」の令和5年度リーディングプロジェクトの選定を受けて実施される。
上記の多摩イノベーションエコシステム促進事業とは、東京・多摩地域でイノベーションの好循環(エコシステム)を生み出すことを前提に、中小企業や大学・研究機関、スタートアップなど、多彩なプレイヤー達が交流する場を作るためのもの。
一方で、モバイルSS・ヒノハラを拠点として利用する小型EVは、京都でEV開発を行うGLMの軽自動車規格の小型EV「MiMoS(ミモス)」を二次交通手段として使うべく期間限定で実証実験していく。
このMiMosは、海外メーカーが普通自動車規格で作った欧州向け車両を、GLMが国内保安基準への適合させた上で、軽自動車規格を満たす仕様に改良しててて軽自動車登録したもの。
実際には、軽自動車よりもコンパクトなMiMoSは、日本の道路事情や生活環境にフィットするため今実証実験用に導入した。なおGLMでは、シェアリングサービス&保有車として、EV導入を検討する企業や行政向けに販売・リースを行っている。
またカエルムでは、「東京 唯一の村として知られる檜原村は、山間部に位置することもあって日照時間が短くソーラーパネルの発電量だけではEVの充電をはじめ、すべての電力を賄うことには限界が考えられます。
そこで、不足した電力は100Vの家庭用電力の夜間電力などを使って、トレーラーのバッテリーに外部電力より充電して補填する計画です。
わずかながらの発電量であっても、発電した電力を有意義に使うことに意味があり、今、実現可能な技術を駆使してSS=サスティナブルステーションを運用することの大切さを訴求していくことが狙いです。
今回の充電スタンドのテクノロジーは、コンバートEVの分野で活躍するオズモーターズの全面協力を得ており、今後、モバイルSS・ヒノハラの活動を通じて、移動式の充電スタンドの受注や相談をはじめ、再生可能エネルギーへの意識をより現実的な視点に変えていく切っ掛けになればと考えています」と話している。
実際、この小型EVであれば、高低差の激しい檜原村の山間部であっても航続距離を気にすることなく自由に利用することができ、檜原村の細い山道にもマッチする。なおこれらの無料体験(小型EV&ワーケーション体験)は同URLリンクから期間限定(11月下旬〜1月上旬予定)で予約可能だ。
Village Hinohara
住所:東京都西多摩郡檜原村本宿790-2
アクセス:
JR武蔵五日市駅より西東京バスで25分
中央道八王子ICから車で約40分