宮津市(市長:城﨑雅文)、西日本電信電話・京都支店(NTT西日本)、NTTビジネスソリューションズは5月1日、「自動運転社会実装推進事業コンソーシアム」を締結して、国土交通省「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」への応募を行い、同案件の度採択通知を受けた。
これにより、先の3者は、宮津市内の「サステナブル&シームレスなモビリティシティMIYAZU(先進モビリティを活用したラストワンマイルの確保・公共交通による周遊性の向上)」の実現に向け、「自動運転社会実装に向けた調査・実証事業」を推進していく。
1. 実施の背景と目的
全国において、地域交通の維持や、ドライバー不足等に関する社会課題が深刻化しており、国土交通省を中心に自動運転のモビリティ技術を活用した持続可能な公共交通・物流の拠点増設目標として、2025年度までに50か所以上、2027年度までに100か所以上を掲げ、取り組み( 自動運転移動サービス社会実装・事業化の手引き・第1版/2024年6月 )が進められている。
そうしたなか京都府北部に位置する宮津市は、「日本三景天橋立」をはじめとする豊かな自然資源や文化的景観を有する観光都市であることから、地域内外との移動を確保するべく、幹線バスの維持に向けた利用促進策や、運転士確保の施策を重点的に取り組んでいる。
しかし一方で、市内全域では高齢化が進み、ラストワンマイルの確保が重要になってくると共に、住民主体の公共交通空白地有償運送についても、いずれ担い手が不足していくことが予想される状況にある。
従って現在行っている宮津市の各施策と並行し、自動運転など先進モビリティを活用した地域内交通の維持確保も併せて重要課題として浮上している。
そこで宮津市は、地域特有の諸課題に対応するため、自動運転EVバス導入に係る経験が豊富なNTT西日本、NTTビジネスソリューションズとコンソーシアムを組成。協働体制を採って事業推進を加速させることにより、宮津市に於ける自動運転技術のニーズや課題を洗い出し、社会実装実現を目指した検証を行いたい構えだ。
2. 採択事業の概要
当該事業は「宮津市府中地区における自動運転実装に向けたフィールド調査」を実施するもので、自動運転技術に適した地域を洗い出し、来年度の実証運行を目指して調査を実施する。
・事業期間:2024年8月~2025年1月
・採択額:20,000千円(地域公共交通確保維持改善事業費補助金、補助率10/10)
・使用車両・自動運転技術(予定):新型EVバス車両NAVYA EVO
-レベル4自動運転システム対応
-乗車定員15人(座席11人、立席4人)
-速度25km/h(国内推奨速度20㎞/h未満)
-EV(最大走行9時間、走行距離100㎞)
※今年度は実車を用いた運行は行わない。
3. 各者の役割
・宮津市:
- 自動運転調査事業全体の運営・関係者の調整
- 自動運転を通じた地域活性化に係る取り組み検討等
・NTT西日本 京都支店:
- 調査事業統括・プロジェクトマネジメント
- 自動運転を通じた地域活性化に係る取り組み検討等
・NTTビジネスソリューションズ:
- 自動運転導入エンジニアリング及び走行ルート調査
- 自動運転を通じた地域活性化に係る取り組み検討等
4. 今後の展開
事業の調査を踏まえ、2025年度の実証運行(自動運転レベルは本事業内で検討)に向けた経営面・技術面・社会受容性面での課題整理を行い、地域公共交通ネットワークに於ける自動運転の活用可能性を検証することを目指して3者が連携して、国土交通省事業を推進していく。