MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス傘下の三井住友海上火災保険は、「空飛ぶクルマ(※1)」 を開発するドイツのボロコプター社(Volocopter)との業務提携に合意した。
なお、ボロコプター社との業務提携は、日本企業初。
ボロコプター社は、シンガポールやドバイ等でのデモフライトに成功し、「空飛ぶクルマ」における欧州航空安全庁(EASA)の認証(※2)を取得するなど、機体開発を順調に進めていると云う。
また、国際的なパートナーとの協業により輸送サービスの提供、航空管制、離発着場の開発・運営、機体メンテナンス等も含めたエコシステムの構築を目指している。
三井住友海上は、ASEAN10ヵ国で元受事業を展開しているネットワークを活用し、アジア地域での「空飛ぶクルマ」事業に関する提携先として、ボロコプター社の実証実験に参画するなど、機体やオペレーションに関するノウハウを収集、商品・サービスの開発につなげていくとしている。
※1:「電動」・「垂直離着陸」・「自動飛行」等による次世代エアモビリティ。
※2:2019年12月に垂直離発着機に関し、EASAの認証(DOA:Design Organisation Approval)を取得。当該認証を取得したのは、ボロコプター社が初。
[空飛ぶクルマの動向]
「空飛ぶクルマ」は、輸送サービスや災害時の移動・物資輸送手段として注目されており、世界各国の大企業やスタートアップが機体開発を行い、さまざまな業界が投資するなど、実用化の動きが進んでいる。
また、日本でも官民協議会が設立され、「空の移動革命に向けたロードマップ」が策定されたほか、複数の自治体が「空飛ぶクルマ」の活用方針を掲げるなど、その動きが加速している。
[業務提携の目的]
MS&ADグループは、米国シリコンバレーに設立したコーポレートベンチャーキャピタル「MS&AD Ventures」を通じて、シナジー効果を期待できる海外スタートアップを積極的に発掘。今回、こうした活動を通じて、三井住友海上は「空飛ぶクルマ」事業の開発で先行するボロコプター社と提携した。
三井住友海上は今後、具体的なオペレーション経験に関するノウハウを収集し、ボロコプター社との業務提携を通じて得たノウハウの提供や「空飛ぶクルマ」に対応した商品・サービスを開発。都市での迅速・快適な移動(渋滞問題の解決等)、中山間地域での移動手段の確保、災害時の利活用等、社会課題の解決に貢献するとしている。
[ボロコプター社概要]
– 会社名:Volocopter GmbH
– 本社所在地:Zeiloch 20, D-76646 Bruchsal, GERMANY(ドイツ・ブルッフザール)
– 代表者:CEO Florian Reuter
– 設立年:2011年
– 主な事業内容:
「空飛ぶクルマ」のサービス開発、パートナー企業とのエコシステムの構築(機体開発、輸送サービスの提供、航空管制、離発着場の開発・運営、機体メンテナンス等)
■Volocopter(英語):https://www.volocopter.com/en/