三井不動産は5月12日、神奈川県海老名市にて、「三井不動産ロジスティクスパーク海老名Ⅰ」(以下、「MFLP海老名Ⅰ」)を2021年5月6日(木)に着工したことを発表した。
なお、竣工は2022年9月を予定している。
「MFLP海老名Ⅰ」 外観イメージ
三井不動産は、首都圏で所有するすべての施設で2030年度までに使用電力を、実質的に再生可能エネルギーとする「グリーン化」を推進する。各施設での「省エネ」に加えて、施設内外での再生可能エネルギーの「創エネ」やテナントニーズに応じたグリーン電力を供給すること等により、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを拡大する。
1.業界初の取り組み
「MFLP海老名Ⅰ」は業界初の「グリーンエネルギー倉庫」として、ZEB認証の取得を予定する。
屋根には太陽光発電設備(設備容量:約2000kW、発電量:約2,200,000kWh/年)を設置し、オンサイトでの発電・供給を実現するとともに、「グリーン電力提供サービス」により、施設内の使用電力の100%を再生可能エネルギーとして供給する体制をととのえることで、入居企業者の抱えるRE100やESGの課題に対するニーズに応える。
事務所等設備イメージ図
また倉庫部分を除く共用部を含む事務所用途部分については、デシカント空調や地中熱ヒートポンプといった省エネアイテムを採用することで、一次エネルギー消費にともなうCO2排出量を50%以上削減する。
2.環境に配慮した様々な取り組み
周辺環境との調和をはかるために、隣接する海老名運動公園との緩衝帯にグリーンインフラとして雨水貯留池と緑地帯を設置する。
・最大貯水量2,100㎥の雨水貯留池を設置し、敷地内の雨水を一度貯留し、緩やかに外部へ排水する。災害時だけでなく、通常は景観に配慮した水辺空間として整備する。
・「海老名の森」として、敷地全体の20%、約10,000m2を緑地として整備し、約1,500本の高中木、約15,000本の低木類等を植栽する。
3.アクセス性に優れた立地
「MFLP海老名Ⅰ」は、圏央道「海老名」ICと隣接しており、首都圏の主要エリアへのアクセスもし易く、物流施設として優れた立地になっている。さらに、JR相模線・小田急電鉄小田原線「厚木駅」からも徒歩11分と通勤利便性に優れ、人材確保にも有利。さらに周辺交通の安全性向上や渋滞緩和をはかるために自動車専用の県道に出口を設け、将来のトラックの自動運転や隊列走行にも対応する計画だ。
4.コンセプト・建築計画
(1)デザインの特徴
施設の外装のデザインは、Organic Flowをコンセプトとし、自然への敬意をこめて有機的なパターンを抽象化したファサードとした。
(2)グループ保有する森林由来の木材活用
三井不動産グループは、北海道の道北地方を中心に31市町村にまたがる約5,000haの森林を保有・管理しており、伐採適期を迎えた木材や森のメンテナンスにより生じた間伐材をエントランスやラウンジの仕上げ材や家具において積極的に使用することで、環境にも配慮したデザインを採用する。
(3)充実した共用部
コロナウィルス対応として、エントランスに体温測定カメラや消毒液を設置するとともに、セキュリティゲートやエレベーターを非接触型とする。また、施設最上階には相模川越しに丹沢連峰や富士山を一望できるラウンジを配す。
(4)安心・安全な取り組み
環境対策に加え、72時間対応の非常用発電機や、免震装置、洪水時を想定した地盤高さの設定など、BCP機能も充実させている。
間伐材を活用したラウンジインテリアイメージ
非接触型のセキュリティゲートイメージ / ラウンジからの相模川越しの眺望イメージ
■施設概要
名称:三井不動産ロジスティクスパーク海老名Ⅰ
所在:神奈川県海老名市中新田
敷地面積:約56,500m2
延床面積:約122,200m2
規模・構造:6階建て・鉄骨造・免震構造
設計者・施工者:日鉄エンジニアリング株式会社
着工:2021年5月
竣工:2022年9月(予定)
【位置図】
【配置図】