
同日開幕の第46回バンコク国際モーターショーで参戦車両を発表
三菱自動車工業が技術支援するチーム三菱ラリーアートは3月24日、今年8月にタイ~カンボジアで開催されるアセアン最大規模のクロスカントリーラリー〝アジアクロスカントリーラリー( AXCR )2025〟に、三菱自動車工業のピックアップトラック「トライトン」で参戦する。
これに伴い同日に開幕した第46回バンコク国際モーターショーで、エンジンの耐久性向上を中心に改良を施した参戦仕様(改造クロスカントリー車両=T1仕様)のトライトンを発表。2022年大会以来の3年ぶりの王座奪還を目指すことを明らかにした。
新カラーリングを披露したトライトンは、巻き上がる土埃をイメージしたグラフィックを車体前方から中央にかけて配し、ボディサイドにはラリーアートロゴを大胆にレイアウトすることで、三菱自動車のモータースポーツにかける情熱を表現したという。
さて今年、開催30回目の節目を迎えるAXCRは、タイとカンボジアにエリアを拡大。8月8日(金)にタイ湾の東海岸で有数の観光地パタヤでのセレモニアルスタートによって開幕する。
翌9日(土)から本格的な競技がスタートし、一度タイ国内をナコーンラチャシマまで北上した後、チャンタブリまで南下、14日(木)にカンボジアに入国し、16日(土)にカンボジアの首都プノンペンでゴールを迎える。コースは山岳部、密林地帯、川渡りなど変化に富み、総走行距離は昨年から約500km延長された約2,500kmとなったことで、走破性に加え、高い耐久性が問われる。
ちなみにチーム三菱ラリーアートは、昨年のAXCRに排気量の大きなライバルに対抗するべく動力性能を強化して悪路走破性にも磨きをかけた4台のトライトンでAXCRで臨み、エースドライバーのチャヤポン・ヨーター選手(国籍:タイ)が6日間の競技のうち後半戦初日となるLEG4で総合首位に浮上して2位以下に20分以上の大差をつけるも、エンジントラブルによるリタイヤしている。そうしたなかでトライトンは、エンジンの耐久性向上の他、足回りなど各部の熟成を図ってポテンシャルを高めて万全の状態で臨む。
今回の挑戦についてチーム三菱ラリーアート総監督の増岡浩氏は、「昨年は動力性能を大幅に強化したトライトンが、排気量が大きいライバル車と伍して戦うことができ、後半戦初日には大差をつけて総合首位に浮上しました。
残念ながらトラブルにより戦列を去ることになりましたが、総合優勝するだけのポテンシャルを確認できました。30回目の記念大会となり、日数、距離ともに過酷さを増す今年は、優れたポテンシャルを最後まで維持できるよう耐久性をいっそう強化して臨み、3年ぶりの総合優勝を勝ち取りたいと思います」と話している。